コー・ケー遺跡群 ラハル貯水池の調査

コー・ケー遺跡群の宗教施設群の中央に位置する約1200*600mの大きさの貯水池の調査を行っています。

アンコール遺跡におけるバライの存在は、農業用水や生活用水を確保するために重要な施設であった可能性がありますが、これまでの研究では未だに定かではない点が少なからずあり、その築造目的については明らかになってはいません。宗教施設と密接な関連を示していますので、実用的な目的に加えて、宗教的にも重要な意味があったことは間違いありません。

コー・ケー遺跡群でも寺院の配置とこの貯水池ラハルは一つの計画性を共有していたものと考えられ、その精確な形状や構造を把握・記録するために地形測量や踏査を行っています。また、貯水池の取水・排水構造などを調査しています。

これまでの調査で、ラハルではアンコール遺跡のバライに一般的な中央の施設が存在しないことが明らかになりました。これについては他国チームの地下探査によっても最近確認されました。ここでは認められない中央施設の代わりに、バライの軸線上に象徴的な遺構が配されていることが明らかになりつつあり、このバライに特徴的な計画性が推察されています。

バライに関する研究は、コー・ケー遺跡群以外でも通観すべき課題ですが、ベンメアレア寺院の東方のバライでも今後より本格的な調査を行っていきたいと考えています。すでにこちらのバライでは、最近の調査により興味深い特徴が確認されました。(一)

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