クメールのはじまり ワット・プー2

クメールの遺跡たち

今回はワット・プーにおける近年の修復工事についてお伝えします。

1991年にラオス考古学研究事業(Project de Recherches en Archaeologie Lao)が開始されてからのことです。日本もまたODA事業として,遺跡のすぐ手前に博物館を設置した他,修復のための専門家の育成事業や修復のための機材供与を行いました。


寺院内のクリーニングの様子

数年前からはイタリアの修復隊が活動をしています。考古学者パトリシア女史がリーダーとなり,ローマ大学とミラノ工科大学とがコアメンバーとなっているチームです。参道脇に立ち並ぶツクシンボのような灯籠柱のようなポストの一部は,2004年にイタリア隊によって修復されました。



参道全景 ポストの修復(2004年1月の写真です)

その後,この修復に参加していたラオス人の専門家が残りのポストの修復を行い,今では残存していたポストのほぼ全てが復原されています。山奥へと縦に深く切り込むような参道の脇に,簡素な形のポストを規則的に並べて小さな区切りをもうけることによって,参拝者に聖域への歩みを意識させ,徐々に心を静めるような仕組みを造ったのかも知れません。そんな体験が,修復によって実感されることとなりました。



修復後の参道を眺める

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