子供たちへの教育活動

カンボジアにはアンコール遺跡群を始め、多くの素晴らしい文化や自然、魅力的な人々がいます。こうした魅力を守り、次の世代に受け継いでいってもらいたい。格差が広がるカンボジアの中で、農村だからという理由で、様々な機会をあきらめてほしくない。農村の子供たちにもたくさんのチャンスに出会ってほしい。
JSTではそうした思いから、村の子供たちにむけて、公立の学校だけでは学べない様々な教育支援を行っています。

村の英語・日本語教室

農村部では、子供たちが英語などの外国語を勉強できるような環境がほとんどありません。そのため、村出身の子供たちの将来の可能性が、自ずと制限されているのが現状です。そこで、村のコミュニティセンター内に設立したやまなみ塾では、現在、週6日・1日4クラスの英語教室と、週1日・2クラスの日本語教室を開いて、子供たちや村人たちに語学を学ぶ機会をつくっています。教えているのは、シェムリアップ市内の高校で英語を学んだ村の青年と、孤児院で日本語を学んだ青年、そして日本語が堪能なJSTカンボジア人メンバーです。

村に英語塾ができて サウ・ソピー(アンコールやまなみ塾英語教師)
『アンコールやまなみ塾』では現在、約120人の村の生徒が、毎日英語を学んでいます。 1クラスは90分授業で、1日5クラス。子供たちだけでなく、夕方6時半からは、仕事が終わった村の大人たちも英語を学んでいます。1クラス中の生徒の年齢はまちまちですが、皆、毎日真剣に授業に取り組んでいます。
カンボジアの農村部で英語塾ができたのは、おそらくやまなみ塾が初めてではないでしょうか。村の大人たちは、子供たちが英語を習得できれば、将来、町でよい職業に就くことができたり、アンコール遺跡保存修復の仕事に関わることができたりするだろうと、たいへん期待し、そのような機会をつくってくださった、アンコールやまなみファンドの皆様に感謝しています。
また、やまなみ塾を訪問される外国人の方々との交流も楽しみのひとつです。日本の高校生との交流では、一緒に植林をしたり、村の子供たちの遊びを紹介したりして楽しみました。
さらに、日本の皆様の寄付によって、たくさんの絵本がやまなみ塾にそろいました。英語のクラスが終わった後は、目を輝かせながら本を読む子供の姿もみられます。やまなみ塾に近づくと、英語のフレーズを繰り返す子供たちの元気な声が聞こえてくることでしょう。希望に満ち溢れた元気な声とひとりひとりの目の輝きは、村の宝、カンボジアの将来の希望の光です。
子供たちは1日も早く英語が上達できるようにと、今日も頑張っています!!

環境・衛生教育と植林活動

最初はアンコールクラウ村を中心に始めた「アンコールの森」再生プロジェクト。現在は、クラウ村の青年たちが近郊の村の小学校を訪問し、環境保護や衛生などについて生徒たちに指導を行うとともに、生徒みんなで植林を行う活動を行っています。今まで校庭中にゴミが散らばっていた学校でも、ゴミ箱を設け、掃除や水やりの当番を決めて整備に務めるなど、見違えるほど大きな変化があり、村の青年たちもやりがいを感じています。
年に数か所の学校を対象に活動し、地域の実態も同時に調査することにより、カンボジアの農村部が抱える様々な問題も見えてきました。これらの問題の解決に向けて、カンボジアの青年が自ら考え、解決に向けて動き出す活動を、JSTは応援していきたいと考えています。
JSTでは、シェムリアップ州教員養成校でも環境整備も行っています。苗木センターをつくり、学生たちと一緒に植樹活動を行うことによって、将来、カンボジア全土に散らばっていく教師の卵たちに、カンボジアの未来を託しています。

アンコール人材養成支援機構
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