インドネシアの遺跡保存専門家との研究交流

バイヨン修復現場から

1月6日より12日にかけて,インドネシアより3名の遺跡保存の専門家がJASAを訪れ,カンボジア・アンコール遺跡における遺跡保存の現状を視察し,意見交換を図る研究交流が行われました。

中部ジャワ考古遺跡管理事務所よりIndra Ismail氏,ジョグジャカルタ特別州考古遺跡管理事務所,プランバナン課よりHariana Surtaningsih女史,ボロブドゥール遺跡保存研究所よりAri Swastikawat女史,そして通訳のFajar Nusajati氏と,本事業を実施している筑波大学より松井敏也先生他,研究員の方々が来られました。

バイヨン寺院をはじめとして,アンコール・ワットやバプーオン,タ・プロム,チャウ・サイ・デヴァタなどアンコール遺跡群における様々な国際的な修復活動の現場を訪問し,保存修復の技術面や管理面での比較,そして遺跡の劣化状況に関する視察を行いました。

事務所ではカンボジアとインドネシア双方での活動の状況をそれぞれが報告すると共に,様々な意見交換が行われました。

本事業は文化庁から文化遺産保護国際貢献事業として筑波大学に委託された「インドネシア・ボロブドゥール遺跡保存のための拠点交流事業」の一環として行われたものですが,もともと2006年5月にインドネシアでおきた地震によるプランバナン寺院などの遺跡倒壊が契機となって開始されました。

ボロブドゥールは1970年代にインドネシア政府とユネスコが協力して大々的な修復工事を行っていますが,その工事後にも未だ保存にあたって様々な問題が生じており,現在でも小規模な保存処置が継続されています。

東南アジアの二大仏教遺跡である「ボロブドゥール」と「バイヨン」とで,様々な共通する問題を議論し,相互に有益な交流の機会となりました。ぜひ,今後もこうした研究交流の場が設けられることを願っています。(一)

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