チャウ・スレイ・ビボールの調査

クメールの遺跡たち

2010年8月の調査に引き続き、チャウ・スレイ・ビボール寺院の調査を行いました。この遺跡はアンコールからベン・メアレア寺院への王道の途中にあり、小丘の上に伽藍を配置し、その周囲に周壁と環壕を巡らせています。

これまでこの寺院は正確な配置図がなかったため、配置測量を中心とした調査を実施しました。不整形の丘の形状を内包するようにして全体が計画されたために、寺院の囲繞施設と内部施設との配置が変則的になっている興味深い構成です。

アンコール遺跡から30分でアクセスすることができ、今後観光客が訪れるサイトになるかもしれません。アプサラ機構も発掘調査を実施しており、今後は環壕の貯水整備事業も計画されています。

丘の上からはクーレン山が眺められる気持ちの良いロケーションです。

加えて、チャウ・スレイ・ビボールのさらに東、王道脇に位置するバンテアイ・アンピル寺院の測量を含む調査も完了しました。

小規模ではあるものの、彫刻や建物の完成度が高く、他の「施療院」施設の見本となるような遺構です。(一)

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