2008年仕事納め

4月14日から16日はカンボジアの「クメール正月」。この国では4月に年が変わります。

JASAでは4月10日(金)に2008年の仕事納めの儀が行われました。

この日、現場では今年最後の仕事と、作業現場の大掃除。そして、それらすべてが終わったあとにもう一つ、重要なイベントが待っています。

 

それは、誰もが楽しみにしている、仕事納めの「お疲れ様パーティ」。

この日を迎える2週間ほど前から、作業員さんの間ではこのイベントの話題でもちきり。

毎年一年の最後に、今年も安全に作業ができました、来年もどうぞよろしくお願いします。という願いを込めて、作業現場裏の特設会場(ブルーシートだけど)にて、スタッフ総出でご飯を食べ、音楽に乗って踊るというのがJASA流の慰労会。

この日はベテランも新米も、専門家も作業員も家政婦さんも、同じ空間に集い、大いに楽しむのです。

 

今年は大食事会の前に、カンボジアの新年伝統のゲーム、袋を履いて走るイモムシレースや、お白粉の入った宙づりの壺を目隠しして割る、スイカ割りとパン食い競争のブレンドのようなゲームも登場し、盛り上がりました。

 

ゲームに続いてはお待ちかねの大食事会。このときのために、JASA事務所の家政婦さん部隊が腕によりをかけて、朝一番から準備をしていました。新しい年を迎えるお祝いとして牛が1頭捌かれ、見事4種類のお料理へと変身。

 牛の骨と野菜のスープ

 牛の内臓と生野菜をプラホック(魚の塩辛)のソースディップ

 牛肉の甘辛照り焼き(炭火やき)

 牛肉入りニョアム(甘酸っぱい生野菜サラダ)

牛1頭で、ざっと大の大人100人ほどを満足させるボリュームに!カンボジアの農村の人々は今でも主なタンパク源は魚。牛の肉を食べることなんてめったにありません。それはJASAの作業員たちも同じ。普段、肉体を酷使する現場で働く彼らに、牛パワーを注入し、栄養をつけ、来年も頑張ってもらいたいという願いがこの牛肉フルコースには込められているのです。

 

食事が進むと、今度はダンシングタイムの到来。誰からともなく輪を作り、カンボジア伝統のダンスが始まります。新年には、お寺でも道端でも店先でも、音楽さえあれば踊りが始まる。カンボジアの人々は概して踊り好き。特大スピーカーから流れてくる音楽に、踊りの輪がどんどん広がります。

茶髪の若手とベテランが一緒になって踊ったり、普段は無口で仕事一筋の副棟梁に「踊ってください」と誘われたり、今日だけは無礼講!

 

さらに踊りもたけなわになると、クライマックスを告げる「あるもの」が登場します。

 

それは、白い悪魔・ベビーパウダー。

 

カンボジアでは正月にお寺などでお互いの顔に突如としてベビーパウダーを付けるという変な風習があります。ここでもエキスパートたちがまず戦いの口火を切りました。皆の踊るステップで、足もとの土埃が舞い、その上では真っ白なベビーパウダーが飛び交う。もうもうと立ち込める二つのケムリの中、熾烈で笑いに溢れた戦いが繰り広げられます。

 

私は今年一年目の新米、格好のターゲットとして引きも切らないパウダー攻撃。同年代の容赦ない若手作業員から、丁寧に一礼し「ネアックルー(先生)、失礼します!!」と叫んでから襲ってくるベテラン、そしていつもお世話になっている兄貴分・エキスパートの面々、ありとあらゆる方向から白い粉が舞い下り、気がつけば舞妓さんもびっくりの白さに。

 

ベビーパウダー戦争の末には、真っ白になったたくさんの顔と、心地よい疲労感、そしてそれぞれの放つ笑い声が、もうもうと舞う甘い匂いのケムリの中に漂っていました。

 

こうして無事2008年も終わりを迎え、新しい年に向けて一丸となってがんばる準備も万端です。南経蔵完成に向けて、あと2年。2009年は基壇の四隅の再構築を終えるという重要な課題があります。今年も皆無事に、そして着実に作業を進められますように!!

090415-1.jpg(ま)

 

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