こんにちは!
先日、トンレサップ湖でバイヨン中学校の生徒たちの課外活動がありました。
この活動は(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが三井物産環境基金を受託し、
アンコール地域の水環境を若い世代で守っていくために、行っているプロジェクトの一つです。
今年度で3年目となるこのプロジェクト、
今回の活動は前年度に予定していたものであり、やっと実現することができました。
ではではその活動の様子をお伝えしていきます!
シェムリアップに住んでいるにも関わらず、
学校から車で一時間足らずのトンレサップ湖には行ったことのない生徒がほとんど。
大型バスに乗り込んで意気揚々とやってきました。
当初来る予定だった生徒の数は50人だったのですが、今回来た生徒はなんと先生4人含め、73人!
きっとどうしても連れっていってほしいと先生に頼んだのでしょうね(笑)
バスを降りてからはシェムリアップ淡水魚研究所の佐藤さんから
トンレサップ湖に関する知識を教えて頂きました!
佐藤さんには前述したプロジェクトの一つとして
バイヨン中学校で”魚の授業”と題した授業を月1回ペースで実施して頂いております。
今回はこの活動のアドバイザーとしてご同行下さいました。
トンレサップ湖の水位は乾季の時は1m足らずですが、
雨季になると約8m水位が上昇して10mほどになることやトンレサップ湖の
歴史について教えて頂きました!
1月の今はすでに乾季に入っていますが、水位は今後さらに低くなり、
低さのピークは4月、5月頃となります。
そういった情報を聞いてから見るのと見ないのとでは全然見方が違ってきますね。
昔からカンボジアの人々の生活を支えるトンレサップ湖ですが、
生徒のみんな知っているようで知らないことも多かった様子。
もっともっとトンレサップ湖のことを勉強してもらいたいものです。
勉強の後はいざ乗船です!
大きなボートに乗ったことのない生徒はみんな大はしゃぎです。(笑)
しばらくボートで進み、トンレサップ湖の雄大さに圧倒されつつたどり着いたのはここ。
ここではナマズの仲間である魚やワニ、ヘビを近くで鑑賞できるスペースがあります。
みんなたくさんのワニに目が離せない様子。
この場所を存分に楽しんだ後はトンレサップ湖周辺のゴミ拾いをしました。
観光客が多いためか地元の人がごみを捨てることを厭わないせいか、
ゴミのポイ捨てが非常に多いトンレサップ湖周辺。
拾っても拾ってもきりがありません。
10袋のゴミ袋があっという間にパンパンになりました。
ご覧のようにビニール袋のゴミなどがたくさん散らかっています。
ペットボトルやお菓子の袋などもたくさん捨てられています。
生徒たちが拾っている姿を見て観光客や地元の人がハッとしてくれれば良いのですが…。
地域の人が協力してこのような活動をすることは
トンレサップ湖の持続的な環境保全につながります。
このようなごみの散乱した状況を見て、
きっと普段から中学校でゴミ拾いを積極的にやっている生徒たちは感じるものがあったはず。
彼らこそがカンボジアのこれからの担い手です。
今回の活動を通して彼らからもっと環境保全に対しての関心を広めていってほしいと
願うばかりです。
そしてこの後はトンレサップ湖の近くにある中学校へ、このプロジェクトの絵本を届けに行きました。
空に映える素敵な校舎です。
この水環境絵本図鑑は三井物産環境基金の助成を受け作成されたもので、
佐藤さんや(一財)国際開発センター(IDCJ)、JSTスタッフが作成に関わっています。
このようにバイヨン中学校の生徒からトンレサップ湖の近くの中学校の生徒たちへ
本が手渡されました。
近くにトンレサップ湖がある生徒たちにとってはとても興味深い本なのではないでしょうか。
じっくり読んでくれると嬉しいですね。
最後は友好のあかしにカンボジアの伝統音楽であるアラピヤを共に歌いました。
バイヨン中学校とはまた全然違った形で学ぶ生徒たちとの交流は
生徒たちにとって大きな刺激となったのではないでしょうか。
バイヨン中学校にもぜひ訪問してもらいたいですね。
帰り際、生徒の表情を見ると、少々疲れ気味ではあったものの、
盛りだくさんのコンテンツに満足した様子でした。
後日、生徒に聞いた今回の活動に対する感想を少し紹介させて頂きます。
まず一人目。
トンレサップ湖に来るのは初めてで、乾季と雨季で水位が変わることを佐藤さんに教えてもらった。
そして初めてトンレサップ湖を見た時、その長さ、広大さに驚いた。
だが、トンレサップ湖はごみくずやビニール袋のごみが多すぎた。
次はトンレサップ湖の近くにあるクロム山に行ってゴミ拾いをしたい。
二人目。
トンレサップ湖は初めてで、その大きさや約5500年も存在していることを学んだ。
そして水上での生活と漁業、ワニやヘビなどの飼育、岸辺で育つ木々達に興味を持った。
トンレサップ湖の環境破壊は人々がゴミを散らかしたりすることや、
ボートを多く使うことで魚に悪影響を与えていること、
マングローブの木を人々が切ってしまうことで起きていると思う。
次ここに来たら泳いだり、魚を獲ってみたりしたい。
そして三人目。
トンレサップ湖に行くのは初めてで、トンレサップ湖にはたくさんの種類の魚がいることや、
カンボジアの乾季と雨季という季節について学んだ。
またどうやったら環境を守れるのかも学ぶことができた。
水上に浮かぶ家やこの地域での教育、そして水質汚濁は人間の出す化学物質によって起こされているということに興味を持った。
もう一度ここにきて岸辺の掃除をしたい。
そしてこの地域に住む人たちについてインタビューして漁業のことについてもっと知りたい。
さらに小さな子どもたちに環境のことや、飲み水のこと、水をどうやったらきれにできるかについて
教えたい。また地域の人たちにごみをちらかすとその先どうなるかを伝えたい。
といった感想を聞くことができました。
環境のことをどうにかしなければという気持ちを持っているということがとても嬉しいですね。
この気持ちを忘れずまた次に生かしてほしいものです。
今後3年目のプロジェクトとしては4回ほどこういった課外活動を予定しています。
多くの生徒に足を運んでもらい、今回行けなかった生徒たちにも
こういう機会を設けることができればいいなと思います。
榎本
このプロジェクトは、三井物産環境基金2014年度活動助成を受諾し、
(一財)国際開発センター(IDCJ)とJSTが共同で行っているものです。
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