遺跡の現場から

バイヨン中央塔の研究

バイヨン寺院 本尊仏の再安置プロジェクト その3

前回紹介したバイヨン寺院,本尊仏発見の物語が,細部においてまったくのフィクションであることは断り書きをするまでもなく,ご了解頂いていることと思うが,もう少し,この時代のバイヨン研究の背景を紹介しておこう。 バイヨン寺院はアンコール遺跡の各...
バイヨン修復現場から

バイヨン寺院 本尊仏の再安置プロジェクト その2

時は今から70年ほど前,1933年のこと,バイヨン寺院の本殿となる中央塔の室内では,縦穴掘りが進められていた。遙か上方の塔頂部の崩落箇所から一筋の白い光が差し込む他は薄暗く,そして風もほとんど通らない陰湿な部屋の中でのこと。   まだ30代...
バイヨン中央塔の研究

バイヨン寺院 本尊仏の再安置プロジェクト その1

アンコールに寺院多しと言えども,その御本尊となる神像が特定されている寺院はほとんどありません。ある意味,寺院は神様を祀るための入れ物〈ハコ〉にすぎず,御本尊こそが寺院の核心であるわけですが,その核心はことごとく散逸してしまっています。   ...
クメールの遺跡たち

ベンメアレア 環壕とバライ

雨季ですので,大したことはできないのですが,ベンメアレア寺院の環壕とその東側のバライの調査を少しだけ行いました。   観光客は一般的にベンメアレアの南側の参道からアクセスします。ベンメアレアの環壕の南辺は水をたたえ,ハスが一面に咲き誇り,実...
クメールの遺跡たち

ベンメアレア遺跡の調査

ベンメアレアはシェムリアップ市内から1時間ほどで訪れることができ,最近は特に日本人に人気のある遺跡です。鬱蒼と茂ったジャングルの中に静かに佇む,朽ち果てたこの石造の大寺院では,19世紀後半,アンコール文明が密林の中から発見された当時の感動の...
バイヨン修復現場から

バイヨン北経蔵 修復「十周年」点検

1994年に日本国政府アンコール遺跡救済チームの事業が始まり、最初に取り組んだ修復工事が「バイヨン寺院 北経蔵」でした。5年の工期を経て、日本政府によるアンコール遺跡での初めての工事は無事に完了。1999年に竣工式を迎えました。 それから...
クメールの遺跡たち

カンボジア雨季真っ直中

ここ1週間は連日の雨。 カンボジアの雨と言えばスコールで,短時間にバケツをひっくり返し,バスタブをひっくり返し,25mプールをひっくり返したような,激しい雨が普通ですが,この度の雨は,日本の梅雨を思わせるようなシトシトとした陰気な雨と,こ...
バイヨン修復現場から

バイヨン南経蔵 基壇内部より構造体の検出

現在修復工事が進められている「バイヨン寺院南経蔵」。 この建物の修復の際に基壇を解体したところ,内部よりラテライト造の構造体が出土しました。通常,アンコール遺跡の基壇は,外側より「砂岩>ラテライト>版築土」の三層構造となっていることが知ら...
サンボー・プレイ・クック遺跡の保全

サンボー・プレイ・クック遺跡 ド・モン寺院 発掘調査1

サンボー・プレイ・クック遺跡群は7世紀の王都「イーシャナプラ」の都城址です。たくさんの煉瓦造寺院が残されていることで知られています。最近は,シェムリアップからの日帰り旅行やプノンペン-シェムリアップ間の移動時に立ち寄る観光客も増えてきていま...
バイヨン修復現場から

保存科学班ワークショップ開催

例年8~9月は日本からたくさんの調査隊がやってきます。今年もまた様々な修復や調査チームが来ていますが,今回はその中でもバイヨン寺院の回廊に彫刻された「浮き彫りの保存研究グループ」の活動について紹介します。   この研究グループは沢田正昭先生...
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