チャウ・スレイ・ビボールでの建築学調査

アンコール遺跡群の東側にやや離れた小丘の上にチャウ・スレイ・ビボール寺院は位置しています。東側に延びて、最終的にはラオスのワット・プーとコンポン・スヴァイのプレア・カーン寺院へと至る王道の中では最も王都アンコール遺跡に隣接して位置する複合寺院です。この寺院の建築学・測量調査を名城大学・早稲田大学・JASAの共同研究として開始しました。

 

この寺院では、今年に入ってからアプサラ機構が発掘調査を実施しました。丘の周囲を巡る環壕とその環壕を渡る陸道の輪郭を検出することが主要な目的でした。ただ、アンコール遺跡群の中でも重要な遺跡でありながら、これまでにこの寺院の精確な図面が作成されたことがなく、まとまった調査はされていないため、この度、伽藍全体の平面測量と建築学的特徴の検出を目的とした調査を開始しました。

これまでにJSAの建築学研究で取り組んできた、寺院の設計方法の分析にあたって、丘の上に残された回廊に囲繞された伽藍は、比較考察の上で適当な規模の遺跡であり、また破損が著しいとはいうものの、過去に修復などの手が付けられていないことから、オリジナルの形状や痕跡を今でも確認することができる研究対象としては望ましい姿で残された遺跡です。

また、丘の一部は寺院の配置のために造成されていることも推測され、地形測量から明瞭な手掛かりが得られることも期待されます。全体で10日間ほどの調査が予定されています。(一)

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