6:00 起床
6:40 ゲストハウス チェックアウト 市場にて朝食
7:30 チェアム・クサン発
9:25 クーレン(Kulen)村着
11:20 プレイヴェイン(Prey Vein)村着
11:40-13:00 Pr. Choan Sram調査
スラヤンを経由してシェムリアップへ
まだチェアム・クサン周辺にいくらかの寺院があるようですが、今回の調査で是非とも訪れておきたかったPhnom Sandak寺院に向かうことにしました。途中、クーレン村までは整備された道が続きましたが、そこからプレイヴェイン村が悪路。20kmほどの距離に2時間ほどを要しました。
プレイヴェイン村は小さな村で75世帯ほどがまとまっています。この村から10kmほど北西に離れた地点の山中に目的地Phnom Sandakは位置しています。と、ここで村人に聞くところ、この先道がひどくなり山の麓まで1時間半、さらに30分ほどの登坂でようやく寺院に到着することができるとのこと。時間を計算すると、ちょっと今日中に調査するのは難しく、村に宿泊することもできなそうなので、この遺跡の調査にはそれなりの準備と装備が必要なことが判明しました。
そこで、今回の調査では断念し、代わりに村のすぐ脇に位置するPr. Choan Sram寺院を少しゆっくり調査することにしました。
この寺院、アンコール遺跡の東メボンを一回り小さくしたような構成で、こうした地方にある遺跡としてはかなり大規模な施設です。煉瓦造祠堂5基がピラミッド型の段台上に配され、その周囲には長手のラテライト造の建物が巡らされます。さらにそれら全体が周壁で囲繞され、その周囲にはかなり大型の溜池も築造されています。地方のかなりの有力者が築いた寺院だったように思われます。コーケー遺跡からも15キロほどで、チョックガルギャーとの関連の上で考えた方が良いのかもしれません。この寺院とコーケー遺跡の間にも複数の寺院が分布しています。
プレア・ヴィヘア州内にはまだまだ大型の重要遺跡が複数残されていますが、今回の調査はこれでひとまず終了とすることにしました。
今回の調査により、プレア・ヴィヘア週内の道路事情を把握することができ、調査地区の優先順位なども検討できたため、今後の調査の見通しを得ることができました。ただ、それと同時に、途方もない数の遺跡が、まだまだ不十分な調査のままに取り残されており、クメール遺跡の全体像のごく一端をようやくかじっているような段階であることを改めて実感させられました。
また近いうちに継続調査を再開する予定です。(一)
*本研究は日本政府文部科学省科学研究費補助金による助成研究「クメール帝国地方拠点の都市遺跡と寺院遺構に関する研究(研究代表者 溝口明則)」によるものです。
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