コーンの滝 その1

クメールの遺跡たち

遺跡から少し足をのばして「メコン河の大瀑布コーンの滝」を訪れました。正確にいうと,いくつもの瀑布群の中でも,最もメジャーなパペーン滝とソムパミット滝です。ワット・プーからバスで1時間半ほどでコーン島に,そしてさらにボートに乗り換えて1時間ほどでコーンヌ島,そしてさらに30分ほど島内を歩くとソムパミット滝へと至ります。パペーン滝は,ボートに乗らなくても国道13号線から少し入れば訪れることができます。

旅行書などにも良く記されているところではありますが,かつて中国への通商路としてこのメコン河に関心をいだいていたインドシナの宗主国フランスの野望を断念させたのが,この自然の要所,コーン大滝です。15mほどの落差にすぎないものの,毎秒7万から9万立方メートルという水量は圧倒的で,激しく周囲の空気を震わせ,近づく者に自然の激しさを迫らせてきます。大型船はもとより,小舟であってもとてもこの滝を乗り越えて物資を輸送することなどできないことでしょう。


 

今回は石井米雄先生の書かれた「メコン」を片手に,小さな旅をしましたが,先生が最初に訪れた1950年代のこと,そしてそれを追従するように再訪された1990年代の記録と比較しても,あまりにもあっけなく,味気ないほどに簡単にラオス南部の各見所へと辿り着いてしまうのが悲しいほどでした。コーンの大滝にやっとのこと辿り着いたという,かつての感激など微塵にも感じられないほどに,ちょこっと船に乗って,ちょこっとバイクに乗ったら到着してしまうのでした。かつては,長い道中に思い描いた,様々な想いや深い考えが発見にも近い大きな創造力を育んだのでしょうけど,今はこれしきのことではそうした体験は得られないのです。そして,そんなことを残念に感じながらも,滝の前で売られていたアイスクリームなどを食べてしまうと,もはや絶望的なまでに感激というものから遠ざかってしまうのでした。

 


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