コン・チャンチェイ通信vol.12 ~犬が来た!コンポンプルックものがたり①~

みなさん,こんにちは。コン・チャンチェイこと,吉川 舞です。

かねてよりご愛読頂いているコン・チャンチェイ通信は、

今後こちらのブログにて皆さまにお届けしたいと考えております。

 

それでは、2009年最初のコン・チャンチェイ通信です。

今年もはや2月。年の初めには寒かったカンボジアも,すでに太陽がぎらぎら。

さて私事ですが,2009年明けて8日目,24回目の誕生日を迎えました。
そんな記念すべき日に,私は早朝から先輩スタッフと共に修復用の「ラテライト」という石材の採石場へと向かいました。
当初5時間を予定していた石材チェックの旅は,
悪路と迷子という二重苦に見舞われて10時間を超える特大旅行となりました。

無事に帰って来られて本当によかった。

 

24歳の幕開けに相応しい?大冒険の夜に,

仲間達がサプライズ誕生日パーティを開いてくれました。
何も知らされぬまま,向かったレストランで待っていたのは,
水上に浮かんだテーブルでのディナーと,1匹の子犬でした。

 

かくして我が家に突如として現れた100%クメール犬(つまり純・雑種)の

「ラテライト」君。
その日の大冒険と,赤茶色のボディにちなんだ,アメリカ人スタッフのロバートさんによる命名。でも,長いので普段は「ラティ」と呼ばれています。

カンボジアに来てからの私は,人生で初めての一人暮らし。
日本から同世代の先輩たちがよく訪れ,宿舎なので他のメンバーも住んでいる。
それでも,やっぱり一人で過ごす時間をもてあますこともありました。

そんな日々の中で,村でも町中でもふらふらしている犬を見るたびに,
「犬が一匹いればなぁ~。いいなぁ~。」とつぶやいていました。

そして,そのつぶやきを拾った先輩たちが,私に同居犬というプレゼントをくれたのです。

うちに来たときには,生後2ヶ月を迎えたばかりで,まだほよほよの子犬でした。
100%ピュアクメール犬にしては可愛い顔をしていて,
8匹兄弟の中では一番美形だったそうです。

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                  遊び疲れてぐったりの図

現在は,見る間にむくむくと大きくなり,体重は5㎏超え,

広大な事務所の庭を縦横無尽に走り回っています。
拳大のカエルが飛び出したり,カブトムシや鳥の巣・ココナッツの実が落ちてきたりするこの庭は,彼にとってはまさに巨大なおもちゃ箱。
さらに,大好きな庭師さんや警備員のおじさんが常にいる環境で,
一日中ぐったりするまで遊び回っています。

事務所では英語とクメール語と日本語が飛び交います。
いつかラティはバイウリンガルならぬ,バイリンガルへ成長する。
そして,ゆくゆくは修復現場の看板犬に…という密かな野望も。

そんなラティの最近の趣味は,サンダルを集めること。
家中の靴という靴を集めて,その上に寝そべってさらに靴を噛むというのが
至福のときのようです。

そしてもう一つ,
屋根の上とかベランダとか,高いところから下の世界を見回すこと。
最初の頃は危ない!と,ラティが高所へ上るたびに捕まえていましたが,
放っておいても落ちないということがわかった最近は自由にさせています。

ベランダの突端に座って世界を見回す凛々しい横顔は,その時だけ大人びて見えます。

どうして高いところが好きなのか?


その謎の答えはきっと,彼の出身地にあります。
彼が生まれたのは,コンポンプロックと呼ばれる村。
東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖上にある,水上村落です。

トンレサップ湖の水位の変化に合わせて
10mを超える超高床の家屋を造り,雨期には水の上で暮らす村。

 

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                                            水に浮かぶ超高床家屋 

ラティがベランダから周りを見る時,彼には故郷の風景が見えているのでは…?

次回は,カンボジアの水上村落のひとつ、コンポンプロックについてご紹介します。

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