学校に行くことって何だろう?~BUKASさんの調査活動~

アンコール・クラウ村
こんにちは!
何回かにわたりお届けしてきたBUKASさんの活動報告もついに最終回になりました。
今回は、アンコールクラウ村の子供たちとその親を中心に行われたインタビュー調査と
その結果を踏まえて行われた発表会についてお伝えします!
クラウ村でお祭りが行われた次の日、
子供たちとその親を対象にしたインタビュー調査が行われました。
(お祭りの様子についてのブログはこちら)
この調査でBUKASのみなさんは
子供たちや親が「学校についてどう考えているか」調査されました。
ここでは調査を通して分かったことなどを少しご紹介したいと思います。
私が同行したグループでは主に
小学生から中学生の年代の子供たちを中心に聞いてまわりました。
どの家庭も私たちの訪問と調査に快く応じてくださいました。

調査した多くの家庭では、子供たちは学校に通っていました。
なぜ学校に通っているの?という質問に
「将来いい職業に就きたいから」
「知識を増やしたいから」という答えが多くあがりました。
何をしている時が幸せ?という質問では、
多くの子供たちが「学校に行って勉強してるとき」
「学校で友達と遊んでいるとき」など、
学校が楽しいことをいきいきとした目で話してくれました。
また子供たちだけでなく、親にもインタビューを行いました。
ここで、4人の子供を学校に行かせているあるお母さんのお話を紹介します。
なぜ子供たちを学校に行かせているのですか?という問いに
「うちの家にはポルポト時代の影響もあって財産は何にもないんです。
だから何も子供たちに残してあげられないから、
せめて知識をつけていい暮らしをしてほしいと思って学校に行かせています」と
答えてくださいました。
と同時に、教育費が心配だとお母さんは話してくださいました。
お父さんが亡くなられたため、今はお母さんの収入が家族の支えになっています。
収入も不安定なため、今はお金を借りたりしてやりくりされているそうです。
「今は大丈夫でも家庭の状況もあって、学校を続けていくサポートをどこまで
できるかは分からないから子供たちに申し訳ないわ」
そう語るお母さんの目が少し潤んでいました。
学校に通うことのメリットやいいこと・楽しみをたとえ子供たちや親が知っていたとしても、
通うことを続けるのが困難な状況があるのだということを改めて実感しました。

インタビューをしていて嬉しい話を聞きました。
それは、子供たちや親からも
「中学校を卒業したら高校に通いたい」
「高校をこの近くに作ってほしい」という声をたくさん聞いたことです。
これは私にとっても嬉しい言葉でした。
子供たちが自分たちでさらに「勉強をしたい」という選択をすること
そして親がそれに賛同して支えていこうと思っていること
その思いを私もしっかり受け止めました。
高校が出来れば、子供たちの将来の選択の幅が広がっていきます。
そうなるために私も役に立ちたい…そう感じた時でもありました。

しかし、全ての子供たちが学校に行えているわけではありませんでした。
調査の中である女の子に出会いました。
彼女は13歳。
小学校を卒業したものの現在中学校に通っていないようでした。
詳しく話を聞いてみると、家から学校まで遠いのと
行くタイミングを逃してしまったため中学校に通っていないとのことでした。
今は何をしているの?と聞いたところ
観光客にお土産を売る仕事をしていると答えてくれました。
一通りいろんな質問をして調査を終え私たちが帰ろうとした時、
彼女が私たちのもとに走ってきました。
「やっぱり中学校に通いたい。校長先生に話したいから一緒に行ってほしい。」
そう、彼女が声をかけてきました。
このインタビューが彼女の背中を少し押す、そんなきっかけになったのかもしれません。
こうしてクラウ村の教育の状況、
そして学校に対して子供たちと親がどんなことを思っているのか
インタビューを通して垣間見ることが出来ました。
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クラウ村で行った調査の結果を踏まえた発表会が
バイヨン中学校で行われました。
この日はみなさんのご協力もあって多くの村の保護者の方が来てくださいました。
子供たちの魚の授業に関する発表が行われた後、
BUKASのみなさんによるインタビュー調査を踏まえて
活動された「夢プロジェクト」が行われました。
(魚の授業の発表様子はこちらでさらに詳しく書いています)

夢プロジェクトの内容は、
先日の調査結果をもとに、子供たちの憧れの職業についている人たちに
どうすればその職につけるのか、なぜその職を選んだのか、などを
インタビューし子供たちに伝えるというものでした。
色々な仕事に就かれている方からいただいたムービーを
生徒たちは真剣にじーっと見ていました。

発表終了後、
多くの生徒たちが「これからも学校に通い続けていく」
「高校に行きたい」「教師になるために勉強を頑張る」など
自分たちの思いを伝えてくれました。
また保護者の方からも
「子供たちの思いを聞いて、学校に通い続けれるようにサポートしていきたい」
といった感想がありました。

そして発表会終了後、
BUKASのみなさんから来てくださった保護者や村のみなさんに
バイヨン中学校で育てたなまずのプレゼントがありました。


今回の調査と発表を通して私もいろんなことを感じ考えました。
「学校に行く」ということが当たり前だと思っていました。
日本では「高校に行くこと」「大学に行くこと」までが
まるで一本の川のように自然な流れであります。
私もその流れに特に疑問をもつわけでもなく進んでいました。
しかし調査をしていて出会った子供たちの多くは、
「学校に行きたい」と選択して学校に通っていました。
だからバイヨン中学校に通う生徒たちの学ぶ姿勢が良く、
いつも積極的で好奇心がいっぱいなのかもしれません。
なあなあではないからこそ、彼らの姿がいきいきと輝いてみえました。
そんな彼らを見てきて、
私も今一度自分は何のために勉強しているのか、何をしたいのか
自分の思いを再確認する時になりました。
籔内

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