アンコール・クラウ村訪問調査~仙台二華高校スタディーツアー~

アンコール・クラウ村
今回は、アンコール・クラウ村を中心に活動をした
B班の活動内容の紹介です!
1日目の午前中は、バイヨン中学校で活動が行われました。
高校生が用意してきた粘土を使って、生徒の皆に、
カレンダーを作ってもらいました。
生徒に「カレンダーが家にある人?」と聞くと、
手を挙げたのは29人中たったの2人だけ。
通訳のタウリーさんによれば、田舎の方ではほとんどの家では
カレンダーは置いていないとのことでした。
カレンダーがなければ、先の予定を入れたり約束したりするときに不便では?
と思ったのですが、
そもそも、カンボジア人は遠い日の約束や予定を入れることはしないそうです!
また生徒たちは、家で時間割を合わせるときには、
次の日が何曜日であるかということを、今日学校に行ったとき黒板に何曜日と書いてあったかで
判断しているとのこと。
日本で生活していると、カレンダーやスケジュール帳がない生活が想像できないのですが、
カンボジアの田舎の方のライフスタイルでは、カレンダーがなくても困ることはないみたいですね!
さて、廊下の椅子を作業机にして、さっそく工作スタートです!
今回作るカレンダーは、サイコロ型の万年カレンダーです。
粘土でサイコロ状の立体4つ作ってそれぞれに数字の判を押します。
土台の形は生徒が好きなようにデザインしました!
この粘土でサイコロ型の万年カレンダーを作る作業は、前回のブログで紹介した、
教育班のプロジェクトに向け、バイヨン中の生徒達がどれくらい立体的なものを作れるかどうかを知る、事前の調査として行われました。
完成品はこんな感じ!↓↓
かわいいハート型やお花型のデザインのもの

かご状になっているもの
細かい模様が加えられたものまで
みんな、創意に富んだ作品を作ってくれました!
手先の器用さ、集中力、発想力、抜群です!
気が付けば始めは29人だったはずなのに、
30人以上の生徒がカレンダーづくりに参加していました!
粘土を作っている様子に興味を惹かれた生徒が、何人か途中で加わったようです!(笑)
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午後からは、いよいよアンコール・クラウ村での調査開始です!
1日目は、前回も訪問した2人のバイヨン中学校の生徒の家を、
2日目は、アンコール・クラウ村内のお宅を突撃訪問し、インタビューしました。
このようなあぜ道を皆でてくてく歩いて訪問先を探しました!
とても長閑です♪
各訪問先で、研究や、各班考案中のプロジェクトの事前調査として、様々な質問をしました。
その中で、バイオトイレを普及させるプロジェクトの考案にあたり、
人糞を肥料として使うことに、抵抗感があるかどうかを問う質問があったのですが、
各家庭で反応がかなり異なっていました。

特に抵抗感はない、という風に答えた人もいれば、
「おー・・・」と苦笑いする人も。
また、1人、上水関係の仕事を行っている方もいて、その方は
「自分は知識があるから、抵抗感や不安感はないが、普通の人だったら嫌だと思うかもしれない。」
という風に答えてくれました。
何か便利なものや、より良い生活のためになるものを、ただ単に提供するのではなく、
住民一人一人が、そのものに対してどのように感じているのかということを把握したり、
それがどんな風に良くて、安全で、どのように使えばいいのかといった知識を与えることは、提供したものが効果的に住民の生活向上に繋がるようにするために、とても大切なことだと思います。
人糞に対する住民の抵抗感をいかに払拭するかがプロジェクト遂行の際の肝となってくると思いますが、優秀な高校生たちの今後の活動に期待です!
また、インタビューと同時に各家庭の生活用水と飲料水の水質調査も行われました。
各家庭によって飲料水の浄水方法は、ろ過装置を使うもの、煮沸消毒をする方法、ミョウバンを使ったものと、様々でした。
2日目に訪れたニアッキラさんのお宅では、飲料水は煮沸消毒をしているそうなのですが、
水質調査の結果、煮沸した後の方が、前よりも濁度と、溶液に含まれる有機物の量を表すCODの値が高いことが分かりました。
もしかして、煮沸がかえって飲料水の質を落としていることになるのではないかと
懸念されましたが、
ニアッキラさんにそれを伝えると、
実は煮沸するときに、健康に良いとされる葉っぱを一緒に入れているとのことでした。
ニアッキラさんの4人の子供は、2年前に毒キノコを食べてしまって肝臓が悪くなり、それが原因で食あたりしやすい体質になってしまったため、健康にはかなり気を遣っているそうです。
なので、今回の調査で濁度とCODの値が高かったのは、この葉っぱを入れたことによるもので、他の値は煮沸前より良くなっていたため、煮沸すること自体に問題はないと考えられます。
良かったです!
今回のアンコール・クラウ村での活動では、
私自身も改めてアンコール・クラウ村の人々の生活環境の実態を知る機会となりましたし、
調査研究実施にあたって、インタビューに快く承諾してくれたり、嫌な顔せず貴重な飲料水/生活用水を提供してくれたり、とても協力的なカンボジア人の人柄の良さを見ることができました。
仙台二華高校の皆さんの活動が、高校生にとっても、アンコール・クラウ村の人々にとっても、
未来に繋がるより良いものとなることを願っています。

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