井戸は、水が出ただけでは完成ではありません。
(手動の)ポンプを取り付けるのですが、最近のカンボジアの小学校では、水を浄化するための浄化水槽も作って、末端に蛇口を取り付けているものも見られます。(私が見たものは、planというNGOによるもの)
シェムリアップ地域の水は鉄分が多く、井戸からのそのままの水を飲み続けると、将来、結石ができたりもするので、やはりここは浄化水槽も作ってあげたい。
この井戸を寄付してくださった「オーマヌーッス小学校に井戸を贈る会」の皆さんは、12月24日にはシェムリアップに到着され(今日です!)、26日には井戸の開所式を行う予定でもあります。
そして・・・・、
皆さんの来訪に間に合うよう発注した、寄付者名が書かれた銘板も出来上がり、それを取り付けるために、12月22日、私もオーマヌーッス小学校に行ってきました!
学校の校庭に入って最初に目に飛び込んできたのは、井戸の上に乗って、うれしそうにポンプを押す子供たちの笑顔、笑顔、笑顔。。。。。
午前11時だったので、ちょうど午前の授業を終えた生徒たちが、家に帰る前に、井戸でひと遊びしているようでした。
なにせ、ポンプを上下させれば、大量の水が出てくるのです!
この地域の子供たちにとっては、きっと初めての光景、体験なのでしょう。子供たちの興奮ぶりが伝わってきました。
井戸には、「土足で上がらないように」という看板が付いていて、皆、階段の下でちゃんと履物を脱いで上がっています。
3つの水槽があって、一番上は大きな割栗石と木炭、二番目の水槽には砂利と洗い出し用の小石、そして三番目の水槽に水が溜まっていきます。
井戸からくみ上げた鉄分が入った水を空気にさらすことで、F(鉄)とO2(酸素)をくっつけて、酸化鉄(?)として沈殿させ、水から鉄分を取り除くのです。(←ちょっと違うかもしれないけれど、だいたいこんな感じかと。)
最後に、三番目の水槽の外側につけた蛇口をひねると・・・・・、いつでも水が出るのです!
ああ、水って、こんな風にして蛇口から出てくるのよね・・・・と蛇口をひねればいつも新鮮な水が出てくる国(今はそうでもないのかもしれないけれど)のありがたみをしみじみと感じました。
この地域には水だけでなく電気もなく、発電機器もないため、電動ドリルで穴をあけるための小型ジェネレータを、私たちは運んできていました。
手慣れたもので、軍警察の副司令官がさっと銘板を取り付けてくれ、あっという間に作業終了。
校長先生によると、夕方、学校が終わると、近くの住民が次から次へとやってきては、水を汲んでいっているとのこと。皆に喜ばれるのはうれしいことだけれど、住民の使い方によっては、カンボジアではすぐに井戸が壊れてしまうので、要注意です。
このような、町から離れた農村部では、「公共」という概念を持たない人も多いので、住民には、ひとつひとつ理解してもらう必要があります。
そして、支援に頼るだけでなく、自分たちでできることは、やってみること、努力してみること。
「校庭の周囲に柵があれば住民が勝手に入らなくなる。(だから、次は柵がほしい。。。。)」
という校長先生に(校長先生、まだ若いのです。まだ20代かも?)、JST代表のチアは、
「今後、学校の校庭の柵を地域住民で作る等の機会をつくって、井戸を大切に使ってもらえるよう、校長先生自らが、まず、住民の意識を変えていくよう努力してください。」などと諭していました。
カンボジアにはクリスマスを祝う習慣はなく、特に農村部の子供たちは、サンタさんのことも知らないと思うけれど、クリスマスに合わせて「水」というすばらしい贈り物を届けてくださった「オーマヌーッス小学校に井戸を贈る会」の皆さん、本当にありがとうございました!
(8人のサンタさんたちは、今頃、飛行機に乗って、雲の上ですね!笑)
つづく
(よ)
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