昨年、カンボジアの子供たちへとお年玉をくださった日本のご家族が、今年もまた、子供たちへのお年玉を送金してくださいました。
そこで、シェムリアップの町からさらに離れた村の小さな小学校(ワット・スラッロムチェイ小学校。全校生徒110人、先生2人)で、雑炊をつくることにしました。
その前の週、三井物産環境基金による活動のために、学校やその周りの家々で聞き取り調査を行ったところ、村全体がかなり貧しく、住民は、1日2食で生活していることがわかったからです。集まってきた子供たちに、「朝ごはんを食べて学校へ来た人!」と質問してみたら、確かに誰もいませんでした。
今は田植えの時期なので、小学1年生の子供でも田植えの手伝いに駆り出され、小学校は毎日30人くらいは欠席しているとのこと。
2人の先生は、ほとんど出席しない子供を教えるのは大変な上、子供を学校に通わせるという親の理解も得られず、とても辛い・・・、と胸の内を語ってくださいました。
私たちも、何かできることがあれば手伝いたい、先生、頑張って!という思いで、直ちに移動式給食プロジェクトの実施を決定しました。
←全く文字が書けない生徒に、手を取って文字を教える先生。1年生の教室にて。
そして、雑炊プロジェクトの当日。
アンコールクラウ村でいつも雑炊をつくってくださっているおばちゃん達2人。運んできた肉と野菜を種分けし、さっそく準備にとりかかります。
生徒たちは校庭のわずかな日影に集まって座り、アンコールクラウ村の青年グループと一緒に、環境と衛生と森林保護についてのワークショップを始めました。
その後、皆で校庭に、マンゴーの苗木を植えていきました。(これは三井物産環境基金による活動です)
そして、植林が終わるころ・・・・、かまどの周りに子供たちが集まってきました。
「ああ、いい匂い」、「おいしそう!」。早く食べたいと待ち遠しそうな子供たち。
でも、まだ具材を入れたばかり。もう少し時間がかかりますね。。。
そこで、最後に子供たちに1冊ずつ配る予定の環境絵本『森はともだち』を読み聞かせることにしました。JSTのカンボジア人スタッフのヨンさんが、絵本を読んでいきます。
真剣に聞く子供たち。
皆、朝ごはんも食べずに学校に来て、植樹活動も行った後だというのに、ものすごく集中して聞いています。
カンボジアの子供たちの集中力には、いつも驚かされます。
そうこうしているうちに、雑炊は出来上がりました!
校庭に敷いたブルーシートに座り、各自家から持ってきたお皿とスプーンを用意します。
配膳は、アンコールクラウ村の青年たちが行います。
骨ごとぶつ切りにした鶏肉が、頭から足の先までたくさん入った雑炊で、初めて食べる大量の肉に、皆、大喜びでした。
その他には、カボチャや青菜など野菜もたっぷり入っています。
おいしい、おいしいと、皆、夢中で食べ、大鍋2つの雑炊は、あっという間になくなってしまいました。
見ていて面白かったのは、近くまで寄ってきた犬たちです。
犬も、雑炊を食べたそうに近づいてくるのですが、ある一定以上は決して入り込まないのです。
日本と違って、カンボジアでは、家の中での犬の位置づけは低く、普段からそのように扱われているからでしょうか・・・?。「自分の立場をわきまえている」?
カンボジアでは、どこで見かける犬も、日本の犬より怖い顔をしているのですが、全く吠えず、弱腰なのです。
そして、子供たちが食べ終わった後、ブルーシートに残った骨や残りかすを食べていました。
さて、この日はこれだけでは終わりません。
さらに、生徒一人一人に、お土産を配りました。中身は、インスタントラーメン3袋、ノートとボールペン、そして歯ブラシです。
まだまだありますよ~!
4年生、5年生には、日本の小学校(愛知県の三谷小学校)から届いたユニフォームが手渡されました。さっそく皆で来て、記念撮影です。
最後に、教室内の様子を見て回ったのですが、皆、うれしそうなこと!
最初にこの学校に来たときは、皆、人見知りして、「こんにちは」も言えなかったのに、今は、「明日もまた来てください」とか「また雑炊をつくってください」とか、笑顔で話し掛けてくるようになっていました。
日本の皆さん、ありがとうございました!
(よ)
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