昨年の12月26日。
オーマヌーッス小学校の井戸建設費を寄付してくださった方々が、子供たちと完成を祝いたいと、日本から駆けつけてくださいました。
日本から飛行機でひとっ飛び(?)。カンボジア到着がちょうど24日だったので、まるでサンタクロースがやってくるようだと、カンボジアでは、ちょっとした高揚感に包まれていました。
シェムリアップの町から北へ1時間以上の場所にあり、荒涼とした土地の真っただ中にあるオーマヌーッス小学校。一帯は地中に固い岩盤があり、今までに何度も井戸掘りに失敗した土地です。
「今回、水脈に突き当たったのは奇跡的」とは村人の言。
すでに、小学校の生徒だけでなく、村中の人々が、井戸の水を汲みにきている、と聞いていました。
そして、私たちが到着すると、教室前の廊下や校舎前に机を出して、全校生徒とその母親たちが、うれしそうに座っていました。
こちらが完成した井戸です。水量も多く、浄化槽も付いた、すばらしい井戸ですね!
そして、ここで完成を祝って、ちょっとしたセレモニーを行いました。
まずは、JST代表、村長、サンタさん代表、校長先生のスピーチです。
村長は朝からお酒を飲んでいたようで、すでに酔いがまわり、握りこぶしを振り上げながらの力強い演説に、皆、少々引き気味でしたが、
JST代表のチアは、まず、この井戸ができるに至った経緯を説明し、村人も使うこの井戸を今後どのように管理するか、壊れた場合に誰がどのように修理をするのか、校長先生と村長中心に、ぜひ皆で考えてほしい、と親たちに語りかけていました。
そして、全校生徒にノートと歯ブラシの贈呈も。
ノートは一宮中央ロータリークラブから、歯ブラシは聖心女子学院高等部からの寄贈品です。
生徒たちに歯ブラシで歯を磨いたことがあるか聞いたところ、「ない」とのこと。使い方は知っているようだったので、ぜひ、この歯ブラシで、毎日歯を磨いてもらいたいものです。
そして、いよいよJSTの「移動式雑炊」実施です。
このプロジェクトは、愛知県のNPOオアシスから助成金をいただいて、シェムリアップ郊外の貧困地域の小学校で実施しているものですが、オーマヌーッス小学校のように、町から30キロ以上離れた場所で行うのは、これが初めてです。
はるばるアンコールクラウ村から、いつもの雑炊つくりのおばさん3人と青年たちが道具と食材とともに車で先のりし、1時間前から村人とともに調理を始めていたのですが、いい具合に完成したようです。
手慣れたもので、アンコールクラウ村の青年たちが手際よく、生徒ひとりひとりに雑炊を配っていきます。お皿とスプーンは、前日に先生が通達してくれたので、各自持参しています。
皆、もくもくと、まさにひとつひとつ噛みしめるように食べていました。
外国人は全くといっていいほど来ない場所なので、カメラを向けると、ほとんどの子ははにかんで、隣の子の影に隠れてしまうほど。
鶏肉と野菜がたっぷり入った雑炊は、何杯でもおかわり可能なほど大量につくったので、皆、お腹がはちきれる寸前まで、存分に食べていました。
そして、最後に、井戸に駆けつけ、お皿洗い。
見ていると、お皿に少し水が溜まったら、即座に蛇口を閉め、そして洗い終わった皿の水は、近くの果物の木の根に捨てていました。
中には、お皿に付いていたご飯粒とともに、水を飲む子も。
ここでは水は本当に貴重なものなのだ、ということを再度実感。
そして、我が身を省みて反省も。
この子供たちから学ぶことも多く、また、素直な振る舞いに、感動さえ覚えるほどで、
日本からのサンタさんたちも、井戸をプレゼントすることによって、逆に子供たちから、忘れかけていた何か大切なものをもらった、と、皆が大喜びな一日でした。
みんな、ありがとう!!!!!
(よ)
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