2010年8月18日に実施した教員養成校の学生たちへの社会見学会。
この機会に、「なぜ皆さんは先生になりたいのですか?」というアンケート調査を行いました。
現在のカンボジアでは、公務員の給与が安く、先生もその例外ではありません。都市部の小学校の先生も月給は$50~60ほどだそうです。特に地方の農村部で教鞭をとる先生たちは生活を維持するのが容易ではありません。そんな中で、小学校の先生を目指して勉強する2年生、74人の学生の声が集まりました。
JSTのソパリーが丹念に翻訳にあたり、ようやく結果がまとまったのでその一部をご紹介します。
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みなさん、こんにちは。JSTスタッフのソパリーです。今回私が翻訳したアンケートは、学生たちの本心から出た文章なので、その結果をご紹介いたします。
Q1 なぜ先生になろうと思ったのですか?
A 最初から自分がやりたいなと思っていたことであり、自分が得た経験やいろいろな知識を次世代に提供して、カンボジアを助けようと思ったからです。
A. 自分の知識を増やしながら、未来の人材を育成したいと思ったからです。
Q2 あなたはどんな先生になりたいですか?
A. 社会を発展させるために、自分の才能や能力を発揮できる先生になりたいです。
Q3 カンボジアの教育において大切だと思う点、難しいと思う点は何だと思いますか?
<大切にしたい点>
・勉強をやめないで、「教育」自体を必要なものだと考えてもらうこと。
・学校での教育に社会見学などの新しいプログラムを加えたていくこと。
<難しいと思う点>
・学校数が足りない点。
・学校に行かず、麻薬を吸って不良グループを作る若者たちがだんだん増えていること。
Q4 カンボジアの国や人々について、好きなところと嫌いなところを教えてください。
<好きなところ>
A. カンボジアは遺跡や動物、森、山や滝など様々な文化や自然が豊かな国です。さらにクメール人は明るく親切で、誠実で、忍耐強いので、そういうところが好きです。
A. 気温が高くて、湿気があるので、農業に適していて暮らしやすいです。
<嫌いなところ>
A. あちこちにゴミを捨ててしまったり、違法に木を切ったり、動物や魚を捕まえたりするところです。
A. 汚職や縁者びいきがあるところです。
Q5 カンボジアの国や人々が、将来どのようになっていけばよいと思いますか?
A. カンボジアがこれから繁栄を増していき、周囲の人がどんどん意識の高い人になればいいと思います。そして、世界遺産や独自の文明や自然などをよく守るようにクメール人が団結し、協力し合うようになってくれれば嬉しいです。
A. 他の国のように政治、経済、基礎構造、感慨技術などがどんどん発展していき、特に人材育成に力をいれるようになるといいです。
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このシェムリアップの教員養成校には近隣の州から20倍ほどの難関をくぐりぬけて進学してくる学生たちが通っています。2010年8月に参加してくれた2年生の皆さんは、今月からいくつかのグループに分けて2カ月間の教育実習に行っているそうです。
教員養成校の校長先生からの要望で、好評につき、引き続き実施することになりました!!
今月は一年生の皆さんを対象に、先週9日、今週16日と2回行います。
カンボジアの未来を担う先生のタマゴたち。彼らが大きくはばたけるように、JSTも最大限応援したいと思っています!
(ま)
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