2月9日と16日、2週続けて、教員養成校の学生を対象に、アンコール遺跡社会見学会を行いました。
実は、2月のはじめ、教員養成校の校長先生より、
「毎年、1学年全員を対象に、JSTが行う社会見学会を実施してほしい」と直々の依頼を受けました。できれば、教員養成校1年生前期のカリキュラムに組み込み、そうすることによって、各生徒の、学習目標をより明確にさせたいとも。
嬉しいですね!
JSTの活動がカンボジアの人たちに評価され、受け入れられはじめていることを実感しました。
さて。
2回続けて、教員養成校の生徒を対象に社会見学会を行ったわけですが、
現場で遺跡修復について説明をしてくれているプロス専門家は、
「やはり、このくらいの年代の学生を対象にした方が、すべての説明を理解してくれるので、説明しがいがあるね!」との感想をぽろっと漏らしていました。
そこで、今回は、プロス専門家に、ブログ用の感想文をぜひ書いてほしい!とお願いしてみたところ、快諾。
ところが・・・・・。
書いてくれた感想文は、
大学入試英語を彷彿とさせるような難解な文章から始まっています。
私の英語力では、なんだかよくわかりません・・・・。
そこで、外語大学出身のJSTメンバー・うめ子さんに和訳をお願いしました。
最初は、英文で書かれたプロス専門家の文章を、ブログにそのまま載せようと思っていたのですが、
和訳の方をご紹介したいと思います。
←教員養成校の学生を前に説明する
プロス専門家。
この文章そのまま、とても真面目な遺跡修復専門家です。
JST主催によるサイト訪問に際しての感想
理解を伴わない信念を持つことよりも、理解することこそが重要なのだということを、我々は人々に対して説明しなければなりません。というのも、「信念」というものは、本質を理解していないときには、常にあやふやなものになってしまうからです。「理解」は、長期にわたる記憶を生み、知性と行動の双方に対する意識を発達させます。
これまでのカンボジアにおいて、人材養成事業は未だ展開することができなかった重要な課題であり、JSTは、シェムリアップのアンコール地域にある世界文化遺産の保存と修復を通して、この事業を進めてきました。
(文化遺産の)持続可能な保存と発展を促すために、すべての世代の人々、そして特には若年層の参加が求められています。従って、小学生や教員養成校の学生に対してJSTが行ってきた活動は非常に重要な課題であり、その結果は直接的にも間接的にも良い成果へと導かれてゆくことでしょう。参加したすべての生徒たちが、この社会見学会に興味を抱き、非常に喜んでいます。
小学生に対するサイト訪問の成果は、まるで筍が竹へと成長するかのように、それを享受した限定的な範囲に対してのみ直接的に作用しますが、しかし教員養成校の学生については、直接的にも間接的にも更なる有益な成果を得ることができるでしょう。つまり、教員養成校で学ぶ学生たちは、卒業後に優秀な先生になれるだろうということです。将来的に彼らは、自らが社会見学会で学んだ経験・知識をさらに自分の生徒にも広めていくことでしょう。
JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)により長年にわたり進められてきた人材養成事業への取り組みのおかげで、今や我々カンボジア人専門家は、自らの手で一連の保存・修復作業を行うことができるまでになりました。
スタッフ一同を代表し、この企画を立ち上げて下さったJST代表であるチア・ノル氏と、すべてのJSTスタッフに対して深く感謝申し上げます。
JASA建築・技術スタッフ チェム・プロス
※2月9日と16日に行われた2回のアンコール遺跡社会見学会は、東京新橋ロータリークラブ、東京レインボーロータリークラブ、(一財)国際開発センター(IDCJ)の皆さまのご支援により実施され、
合計161名の教員養成校学生と4名の先生が参加することができました。
この場を借りて、お礼申し上げます。
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