Liengさん編〜遺跡修復作業員へのインタビュー③〜

ナーガ・シンハ彫像修復プロジェクト




みなさま、こんにちは。今回はLiengさんへのインタビューの様子についてお伝えします。

Liengさんは、ほかの作業員とは違い、遺跡周辺の村ではなくプレイヴェン州出身です。27歳で現在はご結婚されており、4歳になる娘さんがいらっしゃいます。

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仮組みと再設置作業が得意と聞いているが、難しい部分と面白い部分があれば教えてください

難しいところは、かつて(遺跡が建てられた時代)はどのように石が設置されていたのかイメージする必要があり、最終的に組み立てる前に良く考えなければならないところ。昔の様子を頭で再現しながら組み立てなければならないので難しいです。

楽しいところは組み立てる前と組み立てた後の違いを比べることです。

 

仮組みと再設置作業の技術を身につけるにあたり苦労したところはどこですか

苦労したところというよりは、組み立ての方法について先輩に分からない部分をよくきいて勉強する自己努力をしました。

 

今後どのような技術をさらに磨きたいですか

石を削ることが好きだから、新しい石を加工する技術を磨きたいです。

 

新メンバーを指導する立場になって感じた、技術を教えるに当たり気をつけていることは何ですか

彼らが作業しているその横について教えてあげること。「このやり方のほうが良い」などこまめに声をかけます。

 

他の作業員はあなたにとってどんな存在ですか





彼らを愛しています。ご飯を食べるときや休み時間など、なるべく一緒にいたいです。一緒の家に住んでみたいほどに好きです。

 

Liengさんは仮組みと再設置作業が得意であるため、石材を設置するためにクレーンを操っている姿をよく見かけました。

しかし作業の際にかつての様子を頭で再現しながら組み立てを行っていたとは思わなかったので、インタビューをしていて驚きでした。





また、ほかの作業員に対する熱い思いも話してくださり、本当に作業員のことが好きなのだな、とこちらまで温かい気持ちになりました。

 

 

 

仲尾

 

 

 

本プロジェクトは2012年より、JSTと日本ユネスコ協会連盟の共同事業として、JASAの技術協力のもと始められました。バイヨン寺院外回廊のナーガ彫像、ライオン彫像、欄干を対象として進められています。

本プロジェクトは皆さまのご支援により成り立っています。ご寄付をいただいた方のお名前は、バイヨン寺院のすぐ近くに立つ、バイヨンハット脇の銘板へお名前を掲載させていただきますほか、年1回活動報告書をお送りさせていただきます。

※事業終了後は、銘板はカンボジア政府の管理下となります。

詳細はこちらのURLからご確認下さい。

http://www.unesco.or.jp/isan/restorationproject/

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