Thaさん編〜修復作業員へのインタビュー②〜

ナーガ・シンハ彫像修復プロジェクト
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こんにちは!仲尾です。前回のブログでもお伝えしていたように、今回から作業員の方へのインタビューをお一人ずつ紹介していきます。

 

まず初めにインタビューに応じてくださったThaさんは、遺跡周辺にあるリエンダイという村出身の21歳(日本の数え方だと20歳)です。現在は両親、4人の兄、2人の姉と一緒に暮らしているそう。

 

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彼は新材加工を得意とします。新材加工技術というのは、その遺跡を当初から構成しているオリジナルの石が劣化してしまい、安定しなくなっている部分を、新しい石材によって補てん加工する技術のことです。

彼にはおもにその技術のことについて伺いました。




 

 

 

・新材加工が得意と聞いていますが、新材加工で難しいところ、楽しいところはどこですか

 難しいところは石材を削るところと、オリジナルの石材の破損している形に合わせて新材を慎重に削っていき、ぴたりと結合させなければいけないところです。

 

新材加工についての技術を身につけるにあたり努力した点や苦労した点はありますか

JASAスタッフかソピアックさん、Theang さん(このプロジェクトで最年長の修復作業員)に、石を切るやり方や削り方を聞きます。

 

今後どのような技術をさらに磨きたいですか

もっと石の修復と新しい石の加工技術を磨きたいです。

 

新メンバーを指導する立場になって感じた、技術を教えるにあたり気をつけていることは何ですか

図面作成と新材加工を教えるのが難しいです。これらは遺跡修復の技術の中でも難しい技術なので。教えるときは、ポイントを何度も繰り返し言うことで理解させます。

 

他の作業員はあなたにとってどんな存在ですか

 親しみやすい、良い友達。一緒にいると楽しいです。

 

 

 

 

 現場では黙々と石を加工している姿が印象的だったThaさん、石の加工技術のスキルアップのためにソピアックさんはじめ先輩方によくやり方を尋ねていたとのことです。今よりもっと新材加工の技術を磨きたいとのことで、彼の向上心を感じたインタビュー内容でした。

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専門家のソピアックさんと一緒に。

 

 

仲尾

 

 

本プロジェクトは2012年より、JSTと日本ユネスコ協会連盟の共同事業として、JASAの技術協力のもと始められました。バイヨン寺院外回廊のナーガ彫像、ライオン彫像、欄干を対象として進められています。

本プロジェクトは皆さまのご支援により成り立っています。ご寄付をいただいた方のお名前は、バイヨン寺院のすぐ近くに立つ、バイヨンハット脇の銘板へお名前を掲載させていただきますほか、年1回活動報告書をお送りさせていただきます。

※事業終了後は、銘板はカンボジア政府の管理下となります。

詳細はこちらのURLからご確認下さい。

http://www.unesco.or.jp/isan/restorationproject/

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