Reaksmeyさん編〜遺跡修復作業員へのインタビュー④〜

ナーガ・シンハ彫像修復プロジェクト




みなさんこんにちは。

今回はReaksmeyさんへのインタビューの様子をお伝えします。

 

ReaksmeyさんもThaさんと同じくリエンダイ村出身の方。30歳ですでにご結婚されており、息子さんが2人いらっしゃいます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

石材修理が得意だと伺っているが、石材修理で難しいポイントと楽しいポイントを教えてください

 難しいところは、限られた材料を配分して使わなければならないところです。また、石材を持ち上げるクレーンや修理機材に必要なジェネレーターが一時的に使えず、石材の運搬から修理までを全て人力で行わなければならないときは特に大変です。また、一つの石を修理するのに注射器を使って沢山の破片を結合しないといけないところも難しいです。ナーガ像を直したときに、失ったパーツを探し出し、それらを合わせて再びナーガ像を作ったときが楽しかったです。

 

石材修理の技術を身につけるためにどんな努力をしましたか

 JASAの専門家から学んだ後、トレーニングを積みました。分からないところは同僚に聞きました。

 

JASAのスタッフにどのような教育を受けましたか。

 JASAの人が手本を見せてくれ、次に自分が同じことを練習しました。トレーニング初日は何も分からない状態だったので、説明を理解することが難しかったです。特に図面作成についての理解が難しかったです。

 

これからどのような技術を身につけたいですか

 現在は石材修理についての技術を磨いています。1月からは図面作成についても学び始めました。図面作成の技術を高めるために、実際に書く練習を繰り返しています。

 

新しいメンバーに技術を教えるのに何が一番難しいですか

 彼らの理解が良いので難しいと感じません。

 

新メンバーを指導する立場になって感じた、技術を教えるに当たり気をつけていることは何ですか

 よく彼らを観察し、「このやり方のほうが良い」「こうしたほうが良い」などのアドバイスをすることです。わかるまで何度も言います。

 

他の作業員はあなたにとってどのような存在ですか

 第二の家族です。

Reaksmeyさんが細かい破片をくっつけて石材を修復しているところを何度か見たことがあります。さながらパズルのような作業で、私はどの破片とどの破片が合わさるのか全く分かりませんでしたが、彼の手は迷いなく破片と破片を合わせていっていて驚いたことを覚えています。





また作業員との関係を第二の家族と答えてくれた際、とびきりの笑顔をみせてくれました。その気持ちが心からのものだということがこちらまで伝わってきました。

仲尾

 

 

本プロジェクトは2012年より、JSTと日本ユネスコ協会連盟の共同事業として、JASAの技術協力のもと始められました。バイヨン寺院外回廊のナーガ彫像、ライオン彫像、欄干を対象として進められています。

本プロジェクトは皆さまのご支援により成り立っています。ご寄付をいただいた方のお名前は、バイヨン寺院のすぐ近くに立つ、バイヨンハット脇の銘板へお名前を掲載させていただきますほか、年1回活動報告書をお送りさせていただきます。

※事業終了後は、銘板はカンボジア政府の管理下となります。

詳細はこちらのURLからご確認下さい。

http://www.unesco.or.jp/isan/restorationproject/

コメント

タイトルとURLをコピーしました