早稲田大学理工学部 内田悦生教授を中心として、アンコール遺跡の採石場の調査を行っています。
この調査、実はかなり昔から少しずつ蓄積してきていましたが、昨年、かなり大規模な(と思われた)採石場を発見し、次の乾季には本格的な調査を、と首を長くして待っていたのです。
場所は以前からアンコール遺跡の採石場として知られていた所の付近ではありますが、実際には足を踏み入れたことのない地域に大型の石切場の痕跡が広がっていることが分かりつつあります。
2月末ともなると、午後はたいへんな暑さですので、調査は午前中の半日勝負。バイクや徒歩で村人に聞き込みながら、とにかく探します。
その結果、ここ二日間の調査では特に大きな採石地区が確認されました。
こうした石材がどの遺跡に運ばれて使われているのか、そのための手掛かりを得るために帯磁率という石材の磁力の計測を進めています。そうした計測値や石材の大きさなどから考えても、バイヨン期の石材が今回発見された採石場より切り出されたことが分かってきています。
採石場、そしてアンコール遺跡までの運搬経路に関する調査をさらに継続する予定です。(一)
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