2月から3月にかけてコー・ケー遺跡群にて発掘調査を行いました。
過去3年間にわたる当遺跡群での調査は測量と踏査を中心としたものでしたが、その中でクメールの造形芸術としては特異なリンガ崇拝の極を達していることが推察されてきています。それを受けて、今回の調査ではリンガ祭壇の解明を目的として三カ所の大型台座を含む遺構で実施しました。
(上図の台座は現在半分が土中に埋もれていますが、全高は4m近くに達します)
加えて、遺跡群内で王宮跡地と推測されている地点一カ所にて測量・表採調査・発掘調査を実施しました。王宮の跡地であることを示す痕跡を得ることはありませんでしたが、複雑な平面のラテライト基礎の配置とそれらの間には排水溝らしき遺構も認められ、今後の調査に期待がもたれる結果が得られました。
調査はアプサラ機構との協力で実施しました。調査結果の詳細は現在作成の準備を進めているアンコール遺跡の地方都市建築研究を目的とした科学研究費の報告書内で報告の予定です。(一)
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