5月2日、アンコール・トムの中央の王宮前広場で王宮の年中行事の一つである「鍬入れの儀式(Royal Ploughing Ceremony)」が行われました。
この儀式は雨季の開始時、田植えが始まる前に、今年の耕作を占うものです。番いの牛が7つの穀物やお酒などから選んで食したものによって農作物の豊作が占われます。(ちなみに今年はトウモロコシと小麦が食されました)
近年、儀式はプノンペンの博物館前の広場で行われていました。王宮の北東で行われる決まりになっているからです。それが、王宮の催す行事としては60年ぶりにアンコール・トム内の広場で行われたのです。王の威光とカンボジアの伝統行事を国内外に広く示すために、一大観光地となったアンコールで行うことが目的で、来年以降もここアンコール・トムで行うか、あるいは各州にて持ち回りで実施されるようです。
象のテラスの上には国王を中心に要人が席を並べるための仮設の建物が造られ、数万人の国内客が見学に訪れ、王宮前広場は埋め尽くされました。この広場が過去のアンコール時代にどのように利用されたのかは定かではありませんが、往時の栄華が再びここに再現されたかのようなひとときでした。(一)
コメント