昨年末よりJASA第四次フェーズが開始し、外回廊の修復工事を開始しました。工事は南西隅塔より着手しています。
この塔は、一般的な観光順路の一部であったため、これまでは毎日大勢の観光客がこの塔の中を歩いていましたが、上部の石積みが変形し、かなり危険な状況にありました。そのため、今年1月よりこの塔を通行止めとして修復工事を開始しました。
修復工事は現状記録から開始されます。この建物は平面が複雑であるため、今回の修復前記録では立面、断面、平面、屋根付図など計20面以上の図面を作成しています。3名が一組になり現場での実測が進められます。今回は細部装飾まで含んだかなり詳細な図面を作成しています。
建物の回りには多数の石材が散乱しており、その多くが既に壊れている塔の上部のものと推測されます。土砂が堆積しているために、それらの除去を行った後、これらの石材の原位置の記録を行います。
記録の終わった石材から移動し、それらの部材の組み合わせる調査に入ります。かなりの部材において隣り合う部材の組み合わせが確認され、原位置も特定されつつあります。
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