こんにちは!
前回に引き続き今回は
アンコールクラウ村で行われた仙台二華高校の生徒さんたちによる
水問題に関する調査の様子をお届けしたいと思います。
【8月8日】
この日は朝から村での調査が行われました。
2つのグループに分かれ、いざ調査に出発!!
私のチームは、クラウ村の奥の方の家を中心に調査を行うことにしました。
事前に質問事項を考えてこられていたので、
スムーズにインタビューを始めることが出来ました。
インタビューでは水問題に関する質問を中心に
健康状態などの質問事項を聞いてまわりました。
ここでは全てではないですが、
村でのインタビュー調査を通して分かったことを少しご紹介したいと思います。
クラウ村には水道が通っていないため
基本的に生活に必要な水は井戸の水を使っています。
井戸の水は炊事、洗濯、家畜の世話用など様々な用途があります。
全ての家とは言い切れないですが、
多くの家は井戸の水を沸騰させないでそのまま飲みます。
「井戸の水は綺麗だと思いますか?」という質問に
「透明だから綺麗だと思います」と答えられた方もいました。
一方、井戸の水は鉄が多く含まれているため
「鉄臭が気になる」「井戸が錆びてしまう」といった声もありました。
いずれにせよ多くの家ではタンクのお水を買うとお金がかかってしまうため
基本的に水は購入しないということが分かりました。
健康に関する調査では、水質の環境が健康に影響を与えているのか調査されていました。
下痢の症状を訴えた村人もいましたが、
彼らの話によると決して水だけが原因とは言えないようです。
食べ物や栄養など様々なことが関係しているのかもしれません。
また、仙台二華高校の生徒のみなさんは
各家庭で調査する際必ず水質や成分を検査する
キットを使って、実際にサンプリング調査もされていました!
検査結果は日本に帰ってから詳しく調べられるそうなので
今はまだ分からないですが、インタビュー調査を踏まえて
科学的観点からも結果が見えてくるので、どんな結果が出るのか私もとっても気になります。
そして調査は、洪水といった水がもたらす環境問題にもふれました。
洪水の影響は毎年少なからずあるようですが、
特に2、3年前のがひどかったという話をよく聞きました。
この2、3年前の洪水というのは、タイで起こった大規模な洪水による被害のことです。
その時ある家庭の周辺では胸のあたりまで水がきたとおっしゃっていました。
また村人の多くは自分の畑を持っていて、農業を行っています。
農業にとって洪水は深刻な問題です。
被害が大きい時にはその年の田植を諦めなければいけないこともあります。
つまり収穫量は洪水の規模に大きく左右されてしまうのです。
そこでAPSARA機構(アンコール地域遺跡保護管理機構)が
洪水を防ぐためのダムを建設したのですが、
その結果ある家の周辺地域では水の流れが変わってしまい
川が干上がり魚も取れなくなってしまいました。
自然の力は人ではどうにもできないこともありますが、
そのなかで上手く付き合っていける方法はないのか…
生徒のみなさんもまた新たな課題を見つけたようです。
いくつかのお家を訪問したところで、
お昼休憩をしにみんなでMoi Moi Farmに行きました。
暑いなかじっくり調査に取り組んでいたのでお腹もペコペコの頃
おいしいご飯でエネルギー補給しました!
ご飯の後はMoi Moi Farmを少し探検。
みんなでパノラマテラスにのぼりました!!
上からの景色はこんな感じです。
前と比べ水位も上がって景色もだいぶ変わりましたね~
農園の中を歩いていたら砂糖やしの実を拾いました。
初めて見る砂糖やしの実にみなさん興味津々!
せっかくなので少し味見してもらいました!!
(ちなみに!砂糖やしの中は割るときれいなオレンジ色をしています)
お味のほどは…?
「うん、思ってたよりおいしい。でも甘いかも…」
砂糖やしはやっぱりお菓子で食べる方がおいしいようです(笑)
またちょうど蓮の花が咲いていたので
おじさんに取っていただいてみなさんにも見てもらうことにしました。
蓮のお花もかわいいのですが、
蓮の花が咲く前のつぼみで、実はいろんなことができちゃいます。
カンボジア流の使い道を2つお届けします!
使い道その① 食べる
蓮のつぼみ自体をスープに入れて食べることもありますが、
実はそれだけではありません。
どこを食べるのかというと…つぼみの中にある小さな実です!
黄緑色の実の薄皮をさらに剥くと白い実が登場します。
これが食べることの出来る部分です!
お味はというと…ナッツに近いような味がします。おいしいです!!
カンボジアの人曰く、おやつ感覚で食べるそう。
今回も気が付くとスタッフ達がおいしそうに食べていました(笑)
使い道その② 遊ぶ
蓮の実は食べられるだけでなく、遊ぶことができます。
ただし遊べる実は、食べれる実より小ぶりで実がつまっていないものに限ります。
これをどう遊ぶかというと…
手でつまんでまっすぐ人の手やおでこに当てます!
すると「ぽんっ!!」というとってもいい音が出るんです。
この音がおもしろいので、子供たちがよく遊ぶそうです。
ただちゃんと当ててあげないと
相手が痛い思いをすることになるので気をつけてください(笑)
おいしいご飯を食べてたっぷり遊んで
お腹も心も満たされたところで調査再開です!!
午後もそれぞれいくつかのお家を訪問し
無事村でのインタビュー調査が終了しました。
村人に直接インタビューをするのは私にとって
今回が初めてで、たくさんの発見や学びがありました。
見えていることだけでなく、直接聞いてみないと分からないこともあります。
今回のインタビュー調査を通して
より本当のクラウ村の暮らしについて知れたような気がします。
仙台二華高校のみなさんの調査結果の報告が届くのが楽しみです!
短い期間ではありましたが、
一緒に調査に参加させていただき本当にありがとうございました。
籔内
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