今年4校目の環境調査&環境ワークショップの対象校は、クルール小学校。
クルール地区は、シェムリアップの町の中心部から15kmほどしか離れていませんが、アンコールクラウ地区をさらに北上し、一面の野原を抜けたところにあります。
クルール小学校の生徒は1年生から4年生まで121人。先生は校長先生も含めて2人しかいません。
←校長先生(左端)に聞き取り調査を行うアンコールクラウ村の青年たち。この学校には先生が2人しかいないので、校長先生も、生徒の授業を受け持っています。
←校長先生が不在になった2年生のクラスで、生徒にゲームを教えるサンボー先生。かなり盛り上がっていました!
この学校では、3つある教室のうち、一つは倉庫として使っていて、残りの2教室を、午前と午後の2部に分かれて計4クラスが使っています。
←現在使われている古い木造校舎。後ろに、新しい校舎を建設中です。
そんな小さな村の小さな小学校ですが、現在、小学校前の道路は、トラック迂回道路として、かなりの幅に拡張・整備されている最中。
小学校の敷地も、道路沿い約10mほど後退しなければならないと、門と塀の位置をずらしているところでした。
←小学校(左側)前の、工事中の道路。かなり広い道路になりそうです。
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今回の発表は、小さな生徒でもわかりやすいようにと、サンボー先生の提案で、衛生に関する絵を用意してきました。描いたのは、青年グループの一人、カン・チンくんです。
さすがに、絵を見せながらの説明は、とてもわかりやすかったようです。
低学年対象に環境ワークショップを行うのは初めての試みだったので、小さな子供たちが理解できるか少し不安があったのですが、全く問題なく、最後まで真剣に聞いていました。
クルール小学校は、今まで対象にした7つの小学校のうち、一番、町の中心部から離れたところにある小学校ですが、先生の指導がかなり行き届いているようで、校舎の前にはすでに手洗い用の水甕が置いてあり、外から戻った生徒たちは、皆、手洗いをして教室に入っていました。
ところが!!!!!!!!!!!
私たちが驚いたのは、休み時間、お互いの髪の毛の中に潜んでいるシラミを取り合う生徒たちです。中には、髪の毛の中にシラミの卵がたくさん付いている生徒もいました。
JST代表のチアは、「懐かしいなあ・・・。ポル・ポト時代には、髪の毛にシラミが増えて、それはそれは痒かった。結局、そのときは髪の毛を剃ったんだよね。でも、このシラミ、プチプチつぶすのが、とても気持ちいいんだよなあ・・・」などと、つぶやいています。
ポル・ポト時代には、シラミ対策として灰汁で頭を洗っていたとか。
私も、「熱いお湯で頭を洗うとシラミは死ぬ」ということは聞いたことがありますが、このような村で頭を洗うために毎日お湯を沸かすのは、現実的ではないでしょうね。。。
また、もう少し髪を短く切ればいいのに・・・などとも思いますが、女の子が髪を長く伸ばしているのは、「カンボジアの伝統儀礼」であって、合理的には割り切ることのできない、もっと”核心的な”ものなのでしょう。
・・・・ともかく、また一つ、カンボジアの農村部の子供たちが置かれている現実を知った、という思いでした。
一方、環境ワークショップでは、全員で作業を分担をして、広い校庭内にコキとマンゴーの苗木を植えていきました。
「皆、とても協力的で、とてもいい子たちでしたね」
・・・・とは、JSTスタッフとして参加したダリンさん、ユンさん、ソケンさんの感想です。
校庭内では結婚式が行われていて、スピーカーからの大音声が響きわたっていましたが、子どもたちが植樹をする様子は、それにも負けないほど頼もしく、結婚式に参加していた大人たちも感心して見ていました。
(よ)
本プロジェクトは、三井物産環境基金「第2回活動助成」を受諾し、(一財)国際開発センター(IDCJ)と共同で活動を行っているものです。
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