アンコールクラウ村青年グループと毎週土曜日に行っている環境調査&ワークショップ。
5月28日と6月4日はクヴィエン小学校で行いました。
クヴィエン小学校は、シェムリアップ国際空港近くの農村部にある小学校で、車道から少し奥に入った場所にあります。
アンコール遺跡保存地域にも指定されているため、その地域の住民は、家屋の補修、トイレや柵の建設でさえも制限され、とても不便な生活を強いられています。
しかし、今回の調査でわかったこと、印象に残っていることは、周辺の住民は、貧しいながらもとても勤勉に、一日一日を過ごしているということ。そして、校長先生は実直で明るく、クヴィエン小学校の生徒の未来のために力を尽くしていることです。
環境への取り組みについて、校長先生(左端)にインタビューをするアンコールクラウ村の青年たち(右側の2人)。右から3番目の女性は、シェムリアップ市内から70km離れた小学校に赴任したばかりのサンボー先生。左から2番目は、愛知県の小中学校で長い間教鞭をとられていた足立先生、そしてNPO法人オアシス代表の渡邉さん。
この調査に参加しているアンコールクラウ村の高校生たちも、ずいぶん、調査に慣れてきたようです。
こちらの家では、高床住居の下で、米焼酎をつくっています。
リサイクルしたセメント袋、米袋などで、小物をつくっている女性。
できあがった製品は、観光客向けのお土産ものとして市場などで売られます。
竹を編みこんでつくったこの腕輪は、遺跡の物売りの子供たちが、10個1ドル(細い方)で売っているものです。オールドマーケットでも売られています。
ひとつひとつ手作りで、手が込んでいるにもかかわらず、どうして、こんなに安いのか、元値はいくらなのか・・・・・。以前から疑問を持っていました。
それが、こんなところで作られていたとは・・・・!
物心ついたときから作っているというその手さばきは、カメラのシャッターが追い付かないほど早く、まさに職人技。
竹をさばくのに使っているナイフは、こんなにも使い込まれて、もうすぐ刃がなくなりそうです。
いくらで業者に買われているの?と聞いてみると、
太い腕輪は10個で0.5ドル、細い方は、10個で0.25ドルとのこと。
なんて、買いたたかれていることでしょう!
そして、その女子高校生のお母さん曰く。
夫が亡くなって、女手ひとつでこの娘と妹を育てている。
娘は高校に通っているが、娘とともにこの腕輪つくりの内職をして、学費と生活費を稼いでいる。皆で、1日50個~100個つくることもあるが、娘に苦労させているのを見るのはとてもつらい。
そこまで苦労をしてまで、学校に通わなくてもよい、と自分は娘に言っているのだが、娘は頑張って仕事と学校を両立させている。
せめて、夫が生きていれば・・・・。
・・・・・このあたりで、お母さんは泣き出してしまいました。
カンボジアでは時々、自分がいかに苦労をして貧しい生活を送っているかということを売り物にして生活資金を稼いでいる人もいて、私たちもそのような物言いにはかなり慎重になっているのですが、
一部屋しかない高床の住居をみても、それを支える柱が蟻に食われて倒壊寸前であることをみても、この家族が大変な生活を送っていることは一目瞭然。
なんとか、この家族を助けたい!
その場で私たちができることとして、彼女たちが作っているその腕輪と竹のかご(上の写真で、屋根の上で乾かしているかご。こちらも1個0.5ドルにしかならないそう。日本だったら数千円もしそうなものなのに!)を、その価値に見合う価格で買い取り、翌日には、文房具や日本からの古着などを届けました。
そして、今。
このように真剣に日々生活しているカンボジア人を、少しでも手助けする方法はないものか・・・と模索しているところです。
(よ)
本プロジェクトは、三井物産環境基金「第2回活動助成」を受諾し、(一財)国際開発センター(IDCJ)と共同で活動を行っているものです。
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