アンコールクラウ村の”青年グループ”とは?

アンコールクラウ村の青年たちに集まってもらったときの様子(5月8日)を、日本側の共同活動団体である、(一財)国際開発センター(IDCJ)へメールで報告したところ、次のような質問が寄せられました。

 

「ひとつだけお伺いできればと思ったのですが、中学生~高校生が青年グループというのはちょっとびっくりしました。青年グループということでしたので、私は勝手に20歳代の人たちを想像していました。

高校生は一般に『青年』と考えられるかと思うのですが、中学生は今後の活動(環境調査、植樹、教師と共同での環境教育の計画・実施、ワークショップの実施など)を果たして実施していけるものだろうかと思いました。ただし、これはあくまで日本の中学生を対象とした感覚に基づくものなので、カンボジアの中学生は日本とは異なり、もっと大人に近く、小学校教師とも対等の立場で話ができる存在なのかもしれません。

決して、高校生・中学生が青年グループとなることに異を唱えているわけではありません。

本事業の目的は、将来的に環境保全や村の整備を行い、地域の活動の中心メンバーとなる青年グループの育成ですので、そのグループメンバーがカンボジアの状況に照らして、高校生、中学生がもっともふさわしいということでしたら、全く異存はありません。」

 

確かに。

 

私たちJSTの日本人メンバーが漠然と感じていた不安を、はっきりと指摘されてしまった、という感じでした。

私たちも、集まってきた村の青年たちを見て、この青年たちと今後、計画通りに活動を進めていくのは大変なことかもしれない・・・と無意識のうちにも感じていたところで、もし、シェムリアップ市内の青年達と活動をするのならば、もっとスムーズに進むことだろうに・・・・とも思っていたところでした。

 

しかし。

 

アンコールクラウ村の人々を見渡してみると、現在の中学生、高校生ほど、ある程度教養があって、こういった活動を行うにふさわしい世代はないのです。

 

アンコールクラウ村の人々の学歴はたいへん低く、ほとんどが小学校中退か、中には小学校へ行かない子供もいるほどなので、中学や高校へ通っているだけでもかなりの”エリート”なのです。

 

比較のために、私の身近にいる、アンコールクラウ村出身の女性に、最終学歴を聞いてみることにしました。

・現在21歳で、Cafe Moi Moiのフロント係を勤めているソコーンさんの最終学歴は小学校6年生

・現在24歳で、Cafe Moi Moiのコックをしているコンさんの最終学歴は小学校1年。文字はほとんど読めません。

・現在22歳で、JSTで綿のクロマーを織っているバエさんの最終学歴は小学校2年生

・現在20歳で、同じくJSTで綿のクロマーを織っているムンさんの最終学歴は小学校1年生

 

毎日顔を合わせていながら、最終学歴を尋ねたのは初めてでしたので、彼女たちの答えに私自身かなりショックを受けましたが、「家事手伝いをするため、小学校1、2年で中退せざるを得ない。」、これが、アンコールクラウ村のきびしい現実なのです。

 

そうなのです!

 

先日のアンケートでわかったように、「中学生」といえども年齢は17歳、18歳だったりする青年も多いので、学年や年齢は関係なく、「JSTとともに、環境保全活動をしたい!」というやる気のあるアンコールクラウ村の青年達とともに、今後、活動を続けて行こうと思います。

 

この活動を3年間続けていけば、今はちょっと頼りなさそうにみえるアンコールクラウ村の青年達も、きっともっとしっかりと成長し、将来は、環境保全や村の整備のみならず、地域のさまざまな活動の中心メンバーとして活躍していくことでしょう。

 

とはいえ・・・・・

 

実を言うと、次回予定されている「アンコールクラウ小学校の環境調査」に、先日集まった村の青年達が果たして参加してくれるのか・・・・ということが、まずは気がかりではあるのですが・・・・。

 

(よ)

 

本プロジェクトは、三井物産環境基金「第2回活動助成」を受諾し、(一財)国際開発センター(IDCJ)と共同で活動を行っているものです。

 

 

 

 

 

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