前回のワットダムナック小学校に続き、2週連続で小学生のための社会見学会を実施しました。
今回の参加者は、JASAオフィスやCafe MoiMoiにもほど近い、「シェムリアップ師範学校」の6年生たちです。この師範学校は、日本で言うと、教育大のような役割を持っていて、高校を卒業してこれから先生になる学生たちを教えるための学校です。師範学校内には、小学校も併設されていて、教育実習のような内容も学内で行えるようになっています。その小学校から、6年生79名と先生2名に参加していただきました。
小学校によって、子供たちのカラーが異なり、いつも新鮮な社会見学会。
今日はどんな子供たちが来るのかと、バイヨン・センターで楽しみに待っていた5月27日の朝。そこに、なだれを打ったような子供たちの足音が!窓の外を見ると、子供たちが我先にとセンターに駆け込んできます。
「ん??いつもと違うぞ。なんだこの勢いは?!」とセンタースタッフと訝しがっていると、小学校まで迎えにいっていた別のJSTメンバーが「今日の子たちは元気だよ~。」と笑っていました。
4回目となる社会見学会にすっかり慣れているベテラン・ソパリーと、2回目で余裕が出てきた見習い・タウリーの二人組が、子供たちにセンターの説明を始めます。2人の呼び掛けに、子供たちの反応がこれまでよりもさらに元気で、質問も自然に出てきて、説明する側も楽しそうでした。
やんちゃ坊主たちの中には、説明を待ち切れずに先に進む子も。センタースタッフの説明のまねをしています。さらに、修復の道具を発見し、ノミを握って石材を彫る手つきをしてみたりも!
その中に一人、熱心にメモを取る少年が。行きつ戻りつしながら、他の友達が移動してしまってもパネルにかじりついています。
「歴史が好きなの?」とクメール語で質問すると、はにかみながら「Yes!」と英語で力強く答えてくれました。
この学校では目の不自由な生徒たちも、点字の教科書を使って一緒に勉強しているそうで、社会見学会にも一緒に参加してくれました。説明だけではわからないだろうと思われる彫像や陶磁器には、特別に実際に手で触れてもらいました。
そして、元気な師範学校の子供たち待望の修復現場へ!(子供たちの期待が高まりすぎて、センターを出る前に注意事項を話す間に2度もフライングして走り出すというハプニング付き。)
この日は、日本からJASA中川団長も現場を訪れており、「この中から次世代の修復専門家が現れてくれることを期待しています。」と呼びかけました。
子供たちの好奇心は留まるところを知らず、専門家の問いかけにも大きな声で答えます。最後の質問タイムには、真剣な顔の質問が、予定の時間を過ぎても続きました。
「ラテライトと砂岩はどう違うのですか?」との質問には、
「実際に触ってごらん。ちょっとだけ水をかけて様子を見てごらん。」と現場だからこそできる五感で遺跡を感じる体験をしてもらえたと思います。
歴史少年も夢中です。
帰りのバスの中ででは、「遺跡の修復で働きたい人~」という問いかけに7,8人の手が挙がりました。その中には、あの歴史大好き少年の姿も、ノミを握っていたやんちゃ坊主の姿もありました。
さらにセンタースタッフが子供たちに、もともとガイドをやっていたことを話すと「私もガイドさんになりたい!」と今度は女の子たちの手が挙がりました。
その後は、センタースタッフとの間で
『ガイドさんになりたいから、バイヨン・センターで勉強できますか?』
「もちろん。カンボジアの人はいつでも無料だから、みんなで遊びに来て。」
『ガイドさんにはならないけど、歴史が好きだから本を読みに行ってもいいですか?』
「もちろん、本も読めるよ。わからないことがあったら、私たちと一緒に勉強しよう。」
『一人だけでも行ってもいいですか?教えてくれますか?』
「私たちがいつもいるので、学校が終わって時間があるときは来ていいよ。」
・・・・
とほほえましい会話が続き、『地域教育の拠点となる』というバイヨン・インフォメーション・センターの目標の一つに大きく近づいたことを実感する一日となりました。
そして、最後は待望のお弁当タイムです。お疲れさまでした~。
(一番右の帽子の少年が、将来ノミを握る職人になりたい、やんちゃ坊主です。)
この日の社会見学会は日本の企業や一般の方々からのいくつかの寄付を併せて、催行されました。
(ま)
コメント
ノル叔父ちゃん、陽子さん。
お元気でしょうか。よしとです。
JSTの活動は素晴らしいです。
ブログ読ませてもらってます。
カンボジアの子どもたちがカンボジアを
担ってくれることを願っております。
尊厳あるカンボジアの社会を願って。
クメールを原点にする一人として、
地道に頑張ります。
年末年始にカンボジアに行く予定です。
よしと
JSTのブログを見てくれて、ありがとう!
カンボジアの将来のために、カンボジアの子供たちに少しでも夢を持ってもらうために、地道な活動ではありますが、できるかぎり続けていきたいと思っています。
どうぞよろしく、そして、これからも応援してください。
年末に会えるのを楽しみにしています。