アンコールクラウ小学校での環境調査

5月22日(土)

いよいよ、アンコールクラウ小学校での環境調査の日となりました。

 

朝8時。

私たちJST日本人スタッフとカンボジア人指導員がアンコールクラウ小学校に到着すると、アンコールクラウ村青年グループのメンバー12人が集まっていました。

みんな、ちょっと緊張気味ですね。

 

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JST代表のチア・ノルの説明を受けた後、5つのグループに分かれ、さっそく調査開始です。

・小学校の環境調査(2グループ)

・周辺住民への生活聞き取り調査(2グループ)

・小学校の先生へのインタビュー調査(1グループ)

 

「小学校の環境調査班」は、あらかじめ作成された学校配置図に、校庭内の木や花壇の位置や大きさを書き込んでいきます。

巻尺をもって計りながら、おおよその位置を図面に落とします。と同時に、木や花の種類と枝振りの大きさも記入していきます。

 

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←作業に熱中するアンコールクラウ村青年グループ。

 

向こうに見えるのは、NPO法人オアシスからJSTが依頼されて建設中の小学校教室2教室。

 

 

 

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←校庭で遊んでいた子供たちも興味津々。

次々と集まってきて、私たちの作業をじっと見ていました。

 

 

 

 

 

 

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←おっと、こちらは、校庭の貯水槽に入ってかえるの卵で遊んでいる子供たち。

 

 

 

 

 

「先生へのインタビュー班」は、学校でのゴミ処理の方法や緑化環境状況などについて、教頭先生と先生にインタビューしました。

そのインタビューがさっそく功を奏したのか、生徒たちが先生に指示され、ゴミ拾いを始めていました。

                ↓

 

 

 

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ベテラン指導員ソティさんによると、田舎の学校で、先生への聞き取り調査後すぐにこのような効果が見られるところは、とても珍しいそう。

 

午前10時すぎ。

各班の調査が終了し、皆が戻ってきました。

 

 

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最後に、 アンコールクラウ村の青年達に、今日の調査の感想を聞いてみました。

 

・学校へ井戸などの寄付をしてくださる団体のことを知り、ありがたく思いました。

・先生へのインタビューで、学校をより良くするための先生の取り組みや気持ちを理解しました。

・先生へインタビューしたのは初めてだったので、うれしいです。

・今まで、木の成長具合を見たり、枝の広がりを計ったりしたことがなかったので、次の機会も参加したいと思います。

・これからは、校内の植林や環境に興味を持とうと思います。

・自分の村での環境調査に参加できて、とてもうれしいです。

・村の住民はトイレをつくることができずに困っていることを知りました。

注)アンコールクラウ村は遺跡保存ゾーンに入っているため、アプサラ(アンコール遺跡保存機構)から、許可なく構築物をつくることを禁止されています。しかし、許可を出してもなかなか下りないため、村の住民はとても困っています。

 

JSTのソティ指導員からは・・・・

・皆さんは、将来、村の後継者となる人材です。今日行った調査について、友人や両親に、ぜひ話してみてください。

 

そして、JST代表のチアが最後にまとめました。

・今日は最初の調査で、うまくできなかったかもしれませんが、今後、回数を重ねていくうちに、調査の仕方も上達し、先生に対しても、勇気をもってインタビューできるようになるでしょう。

・特に先生への質問の仕方、言葉遣いなど、ソティ指導員から学ぶといいですね。そして、先生や目上の方に失礼のないよう、次回からは学生らしい服装を着てきてください。

・アンコールクラウ村出身ということで、いつまでも貧困層にとどまっているしかない、と考えるのはぜひ改めてください。

今後、知識と経験をつんでいけば、君たちもきっと未来に夢を持てるようになります。

ぜひ今後の調査もがんばってください。

 

チア代表の最後の言葉は、「人間皆平等」で育ってきた私たち日本人の想像を超えた、カンボジアの現状を表す重い言葉でした。

カンボジアの村人が生まれたときから当然のごとく受け入れている“当たり前の絶望感”が、いつか“希望”になっていくことを願います。

 

 

 

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←その後、オフィスに戻り、JSTスタッフ反省会 を行いました。今後の課題などたくさんの意見が出ました。

 

日本からこの調査に参加してくださったIDCJの宇津木さん、お疲れ様でした!

 

 

 

 

 

(よ)

 

本プロジェクトは、三井物産環境基金「第2回活動助成」を受諾し、(一財)国際開発センター(IDCJ)と共同で活動を行っているものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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