アンコール・クラウ村コミュニティーセンターで、念願の第一回遺跡修復講座を開催しました。
対象は、クラウ村の子供たち。自分たちの身近にある文化遺産(アンコール遺跡)について、まずは村の子供たちに知ってもらおうというのが主たる目的です。
しかしそれだけでなく、将来、その子供たちの中から、遺跡修復事業を担う人材が育ってくれれば、という私たちJSTコアメンバーの期待も存分に込められています。
その遺跡修復講座の記念すべき第一回目。
私たちが村へ到着すると、すでに約180人の村の子供たちが集まっていました。これから何がはじまるのだろう・・・。子どもたちの熱い期待が感じられます。
今回の講師は、JSTコアメンバーでもあり、遺跡修復チームカンボジア人専門家のチーフを務めるソティ氏。
まずはソティ氏から子供たちにさまざまな質問。
お父さんやお兄さんなど家族がアンコール遺跡修復にかかわっている人は手を挙げて!(→約半数くらい)
その中で、フランス隊で働いている人は?中国隊は?ドイツ隊は?日本隊は?
アプサラ(カンボジア政府によるアンコール地域保存整備管理機構)は?などなど。
そして、子供たちに投げかけた数々の質問から、アンコール遺跡のほんの目と鼻の先に住みながら、自分たちの祖先が残してくれた文化遺産の価値を知らないだけでなく、遺跡にほとんど行ったこともないような子供も多数いることがわかりました。
そこで、アンコール遺跡と村の生活のつながりを説明するソティ氏。
遺跡があることによって得られるもの、そしてそれをそのまま放置していたらどうなるか・・・・。
その上で、JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)をはじめ、各国遺跡修復チームは、カンボジアの次の世代に、我々の文化遺産を残すためのとても重要な仕事をしていると説明。
さらに、遺跡修復の手順について、用意してきた写真を見せながら、子供たちにわかりやすく説明していきます。
1) 現状図面作成
2) 危険箇所、崩壊箇所などの検討
3) 部材解体と精査
4) 部材修理
5) 仮組
6) 再構築
真剣に写真を見つめ、ソティ氏の話に熱心に耳を傾ける子供たち。
写真の中には、修復作業をする自分のお父さんやお兄さんの姿も映っていたりして、ときどき子供たちの中から歓声が沸き起こります。
最後に子供たちに、将来の夢を聞いてみました。
遺跡修復に関わりたい人は半数以上、次いで学校の先生や観光ガイドさん。
そして、もっともっとアンコール遺跡について知りたいという子どもたち。
次回は、皆で遺跡修復現場を見学したいですね!!
(よ)
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