バイヨン本尊仏の模刻制作のために、大型の砂岩新材が現場に到着した様子を先日お伝えしました。
続報です。
到着の後、いよいよ彫刻を開始したい・・・と思っていましたが、いざこれだけ大きな石材を前にして、どこから削ったらよいか分からない。。。
という現実があり、彫像の正確な形状をまずは石材に引き写す作業から開始しました。
本物の彫像は過去に三次元計測で形状の記録をしていましたので、そのデータをもとに、実寸大で出力し、そのプリントから全体の輪郭を正確に測ります。
そうして測った輪郭を、基準線を墨打ちをした石材の上に丁寧に記し、削り落とすべき不要な部分を確認しました。
この作業をしてみると、かなり大きいと思われていた石材でしたが、幾つかの部分では必要なサイズぎりぎり一杯であることが判明し、一材内にうまく収めるためには基準線等を調整する工夫が求められることとなりました。
こうした作業により確実に石材内に彫像がおさまることが確認され、いよいよ荒削りの作業を開始しました。
ド迫力の石材の前に鑿を握る手にも力が入ります。(一)
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