中央塔の発掘調査 その9

出土品、水晶にさらなる期待が高まり、北西隅の柱穴の現状のレヴェルから底を断ち割って土層状況の確認、ならびに下層の遺物の検出を試みましたが、残念ながらそれまで。

この柱穴からはさらなる発見はありませんでした。

再び室内中央の盗掘孔の掘り下げ調査にとりかかります。床面からの深さ120cmあたりから、白色の栗石が多く混ざるようになり、それまでとは様子が変わってきました。また、穴の底は濃い褐色土が続いていますが、壁側面をやや広げると、かなり締まった白色がかった土が見えてきます。

山中式硬度計で確認したところ、穴の中心の緩い土は1kg/cm2ほどであるのに対して、側面は9~30kg/cm2と相当締まっています。現在修復を進めている南経蔵の基壇内部の再構築の版築土と同程度の強度が確認されたのです。

さらに、第6塔の壁体直下の構造を確認することを目的として、盗掘孔と壁体の間の敷石を取り外し、解体することを検討しました。中央塔西室で確認されたように、最上層の下に大きな石材が敷き詰められているならば、この狭い空間で石材を壊さずに解体することはほぼ不可能です。

調査終了間際に、北壁の手前の敷石を取り外しました。

残念。再び下層には大きな石材が、もはやこれ以上の解体は絶対阻止、とばかりに現れました。。。(一)

*本調査は㈱竹中工務店からの研究助成を得て進められています。

 

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