アンコールクラウ村コミュニティセンター内図書館・集会場・橋・東屋,竣工式

2月7日,アンコールクラウ村コミュニティセンター内図書館,集会場,橋,東屋の竣工式の日。
「会社創立60周年記念事業」としてこれらの建物をご寄付下さった富山県の株式会社三田商会様がいらっしゃるということで,総勢500人を超える村民が朝からコミュニティセンターに集まりました。
お祭りのように賑やかな式典となりました。

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カンボジアの竣工式は新築建築物の今後の安全祈願から始まります。
上棟式でももちろん安全祈願は行いますが,竣工式でも必ず行うのがカンボジア式。
上棟式ではきれいに盛られたブタの顔が見られましたが,今回は山盛りのくだものだけでブタはナシ。
ほっと胸をなで下ろした人は私だけでしょうか?

炎天下の中5人ものお坊さんに来て頂いたので,ここぞとばかりにこの建物だけでなく村全体の安全と幸せもお祈りさせてもらいました。

読経を終えると続いてJSTアドバイザー中川よりこれらの建築について少々説明があり,
そして主賓ご挨拶。(株)三田商代表取締役社長黒田様よりご挨拶いただきました。
それらを受けて,クラウ村を代表,村の世話役であり,また日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JASA)棟梁サオサムさんより御礼の挨拶,そしてクラウ村一同からの御礼の記念プレートを
副村長ソムナンさんが黒田社長に手渡しました。

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この記念プレートはアンコール遺跡群に多く使われた石材と同等の砂岩に,クラウ村に住む職人が繊細な模様を彫って作り上げた,世界にひとつのプレートです。
この企画を日本で聞いていた私の想像を遙かに超える重さのプレートでしたが…,きれいに仕上がっていて,何より村人の想いとその行動を嬉しく思いました。

最後は竣工式恒例の(?)テープカットです。
ただスタイルはとってもカンボジア式。
ふたりのキレイなお姉さんが出てきて,テープの両サイドを持っています。
そしてキレイにリボンを巻かれたキッチンばさみのようなものでカットです。
サオサムさん,ソムナンさん,中川,そして黒田社長の4名がハサミを入れました。

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こうして盛大に,そして滞りなく竣工式は終了。

ところで,今回の式典でとても多く耳にしたのが『情操教育』という単語。
日本では小学校,もしかすると幼稚園から美術(お絵かきや粘土など)や音楽の時間がありますが,
カンボジアの学校では美術や音楽といった芸術系の授業が行われていないのが現状です。
そのためか,クラウ村の子供たちは,例えば「描く」という行為ひとつとってみても,私たちが自然に
行っているように思える「まず構図を考える」「色を重ねる」といったことはやりません。

このような現状を踏まえ,今回は内部の天井高に大きな差がある図書館や,橋の上の東屋,
複数のサイズがあるベンチやテーブルなどなど,敢えてアンコールクラウ村村民には
馴染みのないデザインを多く用いてみました。
それは子供たちをはじめとする村民に,色々発想を膨らませ,自由な使い方を自らの力で考え
生み出してほしいという想いからです。
そして(株)三田商会様からはこれらの建物に加えて足踏みオルガンをご寄付いただける
こととなりました。電気を使わずに使える足踏み式は本当に嬉しいです。

改めまして,建築物だけでなく,このような「情操教育」に触れるチャンスを子供たちに与えて下さった(株)三田商会様には心から感謝致します。

ちなみに…,その後は以前よりご支援いただいているアンコールやまなみファンドの皆さんも交えての「交歓会」が催されました。こちらも大大盛況で,子供たちのキラキラした笑顔がいっぱいでした。この「交歓会」の詳細は次回。

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