アン・チュリアン教授の特別授業@バイヨン中学校

バイヨン中学校創設



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こんにちは。関西学院大学の伊藤です。

今日は、JSTスタッフのSmeyくんがバイヨン中学校のある授業に参加したときの英文メモを元に、彼から直接聞いた内容も追加して提供致します。

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今日は、プノンペンにある王立芸術大学で教鞭をとるアン・チュリアン教授をバイヨン中学校にお招きし、生徒たちに向けて授業をして頂きました。

彼はクメール文化の第一人者で、大学ではクメールの文化人類学と碑文を教えています。

彼が子どもたちの前で授業をするのは初めてとのことで、どのように説明したら子供に理解してもらえるか、前の晩は眠れなかった、などと冗談を交えながら話してくださり、僕らにとってもこの授業に立ち会えたのはとてもラッキーなことでした。  

授業のテーマは「アンコール地域の遺産」。

多くの写真とともに、有形および無形の遺産が紹介されました。例えば、アンコール・ワットや、バイヨン寺院、牛車やクメール料理や籠、そしてそれぞれの作り方や修復の技術に関してです。 

 

←魚を獲る籠。

魚が入り込む入口部分の仕掛けの形などは、何百年という長い年月をかけて少しずつ改良・工夫され、今の形になった。魚獲りの籠ひとつとっても貴重なクメールの財産なのだと、先生の説明には力がこもっていました。




 

 

 

 




←クメール伝統の蜜蠟も、今ではほとんど作られなくなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

←村では日常的に使っている籐籠も、作れる人が減ってきています。

 

村の子供たちにとっては、生活の中に当たり前のように溶け込んでいる日常の道具ですが、街の人にはもう作れない、触れる機会が減っている貴重な文化であることを伝えてもらいました。

子どもたちは終始講義に夢中で、笑ったり驚いたりしながら授業に聞き入っていました。

それらは村の中で、代々伝わってきたものであり、これからも同じように伝えていくことは簡単なことではない、ということに気付いたようです。




 




←クメール王朝時代から続く祭事の様子。

 

 

 

 

同時に、村の子供達にとってもなかなか見る機会のない、すでに消えつつある祭事の写真なども紹介して頂きました。伝統的な文化が多く残っているとされるバイヨン中学校周辺の村落ですが、近年、便利な道具や生活が手に入りやすくなり、手間のかかる技術や文化に触れる機会は減っているようです。

 

無形遺産は、その技術を持った人が誰にも伝えないまま死んでしまえば、そこで技術の継承は途絶えてしまい、容易に消滅してしまいます。

これからは、文化を受け継ぎ、後世に伝え、互いに共有していくことが大切だと思います。

 

アン・チュリアン先生、ありがとうございました!

(原文)

Today,
JST had invited Professor Ang Choulean to have a presentation for students in
new junior high school near Angkor Thom . The topic is “Heritage of Ankgor
“. Tangible and Intangible heritage were explained in his presentation
with many picture in slides show

There
are around 130 participants who had jointed this great event.


Students look like happy and smile with pay attention during his lecture.

We
were so lucky, because it was the first time of his presentation to children
and for this new school.


Nowadays, Professor Ang Choulean lectures anthropology (Study of Khmer culture)
and Old Inscription at Royal University of Fine Arts.




He
is a well-known of Khmer culture researcher.
 

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