発掘調査の結果、敷地に遺構が埋まっていないということが判明し、中学校建設のための敷地はなんとか目処がつき始めた2012年7月。
建設資金の確保に向けて、検討を始めました。
まず思いついたのは、大使館の草の根申請。
在カンボジア日本大使館に勤務している大学の後輩を通じて、草の根担当者に打診してもらいました。
その結果、
・中学校校舎の建設は草の根の対象であるが、専門学校は対象外。
・その場所に建設することによって、他団体から環境問題などのクレームを受けないという配慮が必要。
・いろいろな工夫を盛り込んで建設費が高くなった場合には、申請が通りにくくなるので考慮が必要。
というコメントをいただきました。
実は新中学校は、
将来、専門学校や大学に発展させていきたいと考えていて、さらに、
教室や机の大きさを中学校らしくするなど、カンボジアで建設されている従来の学校環境を少しでも改良したいとも考えています。
そこで、建設資金確保について別の方法も検討することにした矢先、
知人から、まとまった額の建設資金を寄付してくださるというお話をいただいたのです!
それだけの資金があれば、現在計画している校舎、敷地整備費の約1/3が賄えることになり、
数教室でもできあがれば、来年10月の新学期に、めでたく開校という運びとなります!
それを聞いたシェムリアップ市の教育局長も喜び、来年10月には、中学校の先生方を派遣する準備を始めてくださることになりました。
専門学校的な要素を付加することについては、アプサラ機構の若手スタッフも、アンコール地域の歴史や遺跡修復に関する授業を行おう!と乗り気です。
その他にも、今までもJSTの活動にご協力くださっていた方々から、中学校建設に関する様々なご支援やご紹介をいただけるという心強いお話をいただいています。
なにより嬉しいのは、今まで支援を受ける一方だったカンボジア人も、建設に向けて、自分たちでできることをやりはじめる兆しが見えたことです。
チア(JST代表)の友人や役人たちは、「これからは、生活に余裕が出てきたカンボジア人自らが、貧困地域に対して何かしなくては・・・」と言い出すようになったと言いますし、
中学校建設地域の住民は、休日に集まって、敷地の草刈りなどを行っています。
また、カンボジアには、”ボン・プカープラッ”と呼ばれる寄付集めの文化があるのですが、
アンコールクラウ村出身のJSTスタッフの一人からは、
自分が主催者になって、地域住民から寄付を集める”ボン・プカープラッ”を実施したい、という申し出がありました。
開校まであと1年弱。
地域住民を中心にさまざまな人々が関わって、皆で新中学校をつくりあげることができたら、すばらしいなと思っています。
(よ)
コメント