中学校がほしい!①~義務教育なのに中学校がない?~

2年前の2010年10月、NPOオアシスからアンコールクラウ小学校へ、新校舎2教室が寄贈されました。(そのときのブログはこちら →http://www.jst-cambodia.net/jstnews/2010/10/2.html)

 

 

121103_01.JPG 

その際、先生や生徒、村の住民から感想やお礼の言葉を書いてもらったところ、今度は中学校を建設してもらえないか、という要望が多く見られました。

 

たとえば・・・・

 

*****************************************

(年齢、学年、役職等は2010年当時)

 

<ソン・スーム(アンコールクラウ小学校校長)>

日本人の皆様のご支援のおかげで、村の状況が少しずつよくなり、私はとてもうれしく思っています。

今後の希望ですが、この村からシェムリアップ市内の中学校までは遠いので、村内に中学の校舎がほしいと、皆が考えています。そして、一人でも多くの村の子供が学校に通うことができ、私たちの村の教育が向上することを期待しております。

 

<ミッ・リット(男、村長)>

私が子供のころは、学校に通う子供はほとんどいませんでした。なぜなら、小学校がなく、勉強をしたいならば町まで行かなければならなかったからです。しかし、現在、日本人の皆さんが、校舎、橋などを支援して下さり、ありがたく思っています。村には、中学校、保健所、トイレが不足しておりますので、機会がありましたら、さらなるご支援を検討していただけたら幸いです。

 

<サオ・サム(男、64歳、日本国政府アンコール遺跡救済チーム棟梁)>

私の世代は学校の校舎がなく、勉強できない子供が多くいました。現在、次世代の子供たちがアンコールクラウ村で勉強できていることは、日本人の方々の支援のおかげです。今回、新2教室ができ、より多くの子供が勉強できる機会が与えられました。子供たちは学校へ行く機会がたくさんでき、私たちのように無学、無知な大人にはならないことでしょう。しかし、村には中学校がなく、義務教育であるにもかかわらず、中学校へ通うことができない子供たちが大半です。

 

<ホン・ハーン(12歳、5年生)>

今、私の村には中学校がないので、ぜひ、中学校を支援していただきたい。というのは、遠くの中学へ通う場合、交通事故にあうのがとても怖いからです。

 

<ロン・ラッ(12歳、4年生)>

毎日、兄が中学へ通っているのをみると、遠いので通学が大変で苦労しているのがわかります。

ですから、ぜひ、近くに中学校をつくってください。

 

<ヴォン・スレイマオ(女、中学生)>

私は今、中学校で勉強するために、自転車で毎日遠くまで通っています。将来、私の村にも中学校ができることを期待しています。

 

<ホイ・ヒアッ(男、中学生)>

私はアンコールクラウ小学校の卒業生です。今回、12教室支援してくださったことに対して、お礼申し上げます。私は現在、フンセン高校付属中学校へ通っております。しかし、とても遠く、大雨が降る時など、学校に遅刻することもあります。今後、村の中にぜひ中学校をつくってください。

 

<ヘン・シム(卒業生)>

自分は中学校へ行けませんでしたが、これからの卒業生のために、中学校を支援していただければ、とてもうれしく思います。

 

<サオン・ペイ(女)>

小学校が遠いところにある場合、子供たちは自転車もないので、毎日遠くまで歩いて通わなければならず、中退する生徒が多くなるでしょう。村の小学校に新2教室ができたことにより、子供たちが家の近くで勉強できることに感謝いたします。

 

<ウーム・チャウ(女)>

私の最終学歴は小学校6年生です。小学校卒業後、町の中学校へ通ったのですが、遠くにあり、遅刻が多いので、先生に罰則を与えられ、中退せざるを得ませんでした。

 

 

 

*************************************

 

 

アンコールクラウ村を含めた周囲5つの村には中学校が存在しないこと、

よって、卒業生のほとんどは中学校へ進学せずに、家事手伝いか仕事に従事すること、

中学校に通うならば、村から8キロ以上離れたシェムリアップ市内の中学校に行かなければならないこと、

しかも自転車がなければ通えず(経済的に自転車購入が難しい家が多数あります)、またあったとしても、雨期の豪雨の中を走らなければならずに通学が困難であること・・・・。

アンコールクラウ村の子供たちにとって、中学校へ通うということが、いかに大変なことであるかということを実感しました。(カンボジアでは、日本同様、中学校までは義務教育です)

 

なんとかこの地域に中学校ができないだろうか・・・・。私たちJSTメンバーにとってもかなりハードルが高い難問が目の前に聳え立った瞬間でした。

 

つづく

 

 

121103_02.JPG         アンコールクラウ小学校の6年生

 

(よ)

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました