12月24日(土)
三井物産環境基金の乾期ワークショップ。2校目はコックチョウ小学校です。
午前中に授業のある6年生36名を対象に行いました。
JST代表による挨拶と説明が終わった後、半年前に皆で植えた苗木の手入れを始めるために、生徒たちは散らばりましたが・・・・・。
なんと、人気のある作業とない作業とにくっきりと分かれてしまいました。
一番人気は、チンくん率いる”ねこぐるま”グループ。とはいっても、チンくんの周りをふざけながら並走するだけ。中には、自ら”ねこぐるま”に乗ってしまう子も。
一方、前期に植えた苗木の柵の手入れには、当初、生徒が誰も手伝いに行かず、アンコールクラウ村青年グループのみが、もくもくと作業をしている、というような状況でした。
この事態は、青年たちに、生徒を誘って作業を行うよう促すことで解消され、生徒たちも見よう見まねで柵の補修を行ったりするようになりましたが・・・・・。
先週のクヴィエン小学校のブログで、「先生方のゆるさ加減がいい感じ」とか「生徒たちは自主的にやるべき仕事を見つけて、楽しみながら作業をしている」とカンボジアの小学校を賛辞する言葉を書いたばかりではありますが、この小学校の様子はゆるすぎです。
この違いはどこに?
校長先生へのインタビューの時間でも、青年グループの間で、このことが話題に取り上げられました。
先週のクヴィエン小学校の先生は、生徒たちに何も指示を出したりしていませんでしたが、生徒たちの作業をずっと見守っていました。
一方、このコックチョウ小学校の先生方は、全員女性の先生でしたが、
生徒がやっていることには全く関心を示さず、先生同士で集まって廊下の手すりに腰をかけ、ずっとおしゃべりをしていました。
廊下にござを広げて、お弁当を食べている先生もいました。
思い返してみると、前期のワークショップの際も、青年グループが生徒たちに衛生・環境・森林保全の説明をしているとき、この学校の女性の先生方は、生徒のすぐ後ろでお菓子を食べていました。
・・・・・先生方の生徒を見守る姿勢の違いが、生徒の態度にも表れていたのかもしれませんね。
さらに・・・・・、
校長先生はこれほど熱心なのに、なぜ先生方はそのような態度でいるのか?
青年グループからの質問に、校長先生は、「先生の給料が少ないので、皆、教育という自分の仕事に力を入れることができないのだろう。」とのこと。
一般に、カンボジアでは、先生の給料は1か月40ドル~。校長先生でも、75ドルくらいです。
その給料の低さでは、先生のやる気を出させることは難しいのかもしれませんが、この事態、なんとかならないものでしょうか?
将来、カンボジアに明るい未来があるとしたら、子供の教育を充実させる以外ないだろう、と言われている中、小学校の先生方がこのような姿勢でいる限り、負の連鎖は長く続くことになるでしょう。
ちなみに、JSTのこの活動に毎回参加してくださっている、バンテアイスレイ地区の小学校の先生、サンボー先生(上の写真で、校長先生のすぐ前に座っている女性)は、家から小学校まで70km以上の道のりを、週の半分は学校に泊まりながら、オートバイで通っています。(バイクガソリン代は、1か月の給料と同じくらいになってしまうそうです)
・・・・カンボジアの教育事情。まだまだ闇は深そうです。 (よ)
番外編(1)
最後に、参加してくれた生徒に、歯ブラシを1本ずつ配りました。この歯ブラシは、聖心女子学院のカンボジア体験学習の際に、高校生たちが持ってきてくれたものです。
番外編(2)
16歳の6年生が何人かいたので、これまでどうしていたのか尋ねてみました。すると、この学校に転校する前に住んでいた隣の州では、ほとんど学校に通っていなかった、という答えが返ってきました。
本プロジェクトは、三井物産環境基金「第2回活動助成」を受諾し、(一財)国際開発センター(IDCJ)と共同で活動を行っているものです。
コメント