バイヨンセンターのスタッフ・Thavry(タウリー)は2010年から密かに”ある課題”に取り組んでいました。
それは、子供たちのために、遺跡の修復作業を紹介する絵本を作ること!
JSTでは過去にも、森の大切さ、植林活動の重要性を伝える絵本『森はともだち』を制作しました。
豊かな森を失ってしまった場所で、子ザルが精霊のお告げを信じて木を植え続け、家族や友人を取り戻すというストーリー。(詳しくはこちら→http://www.jst-cambodia.net/after/index.html)
環境ワークショップを行った小学校などでも、参加した子供たちひとりに1冊配布しています。普段教科書も一人で1冊ということはない子供たち。どこの小学校でももらってすぐに夢中で読む姿が見られます。(環境ワークショップの様子は「JSTNews!」の環境ワークショップレポートシリーズでどうぞ!)
英語・日本語解説付きの環境絵本この本に続き遺跡の修復についても、子供たちにわかりやすく説明するためになにかつくれないかな~と考えていた2010年の春の頃。新しいスタッフとしてバイヨンセンターに入ってきたタウリーが、「絵を描くのが好きなんです。本、作りたいです。」と言った一言から、「遺跡修復絵本を作ろうプロジェクト」が水面下で始動しました。
2010年8月には、JSTの活動紹介POPなどのデザインを手伝っていただいた日本人のOさんと一緒にページの構成を考え、それからセンターの仕事の空き時間を見つけては、こつこつと絵を描いていたタウリー。構成に合わせたストーリーと遺跡修復の内容を紹介するクメール語の文章はもう一人のセンタースタッフ・ソパリーが考えました。
秋には絵が進まなくて、ちょっとスランプに陥りかけたタウリーでしたが、2011年に強力な助っ人が!
現在は高校に通いながら、遺跡でお兄さんと絵を描いて生計を立てているチンくん。今月から週に1回、土曜日の午後にタウリーのお手伝いに来てくれることになりました。
1月22日(土) お手伝い第一回目の土曜日。
タウリーがペンで描いた絵に色付けをしてもらうことに。色鉛筆を使ったことがない、とちょっと戸惑い気味でしたが、ちょうど場面は彼がいつも目にしている村の情景。画材の違いなどものともせず、どんどん色をのせていきます。
そして、こちらがタウリーとチン君の夢の競演第一号!
まだ途中ですが、タウリーの緻密な線画に、チン君の大胆な色味が加わって、本当に村のある一日が絵になったようです。
2011年中の完成を目標に、力を合わせて頑張っていって欲しいです。
今後の経過もブログで報告しますので、皆さん、ご期待ください!
(ま)
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