カンボジアでは運転免許がなくてもバイクの運転ができる。
だから、時々、びっくりするくらい小さな子が一人でバイクを運転していたりする。
ええっ、大丈夫なのかなあ・・・と周囲の心配をものともせず、颯爽と堂々と、そして少し誇らしげにバイクに乗った子供たちが通り過ぎていく。
そして、先日、クラウ村で見かけた女の子も、自分のバイクに乗っていた。
しかもかなりのポンコツ。
様々なパーツがもうこれ以上ないというほど、ぼこぼこ、びりびりで、それはそれは見事なほど。
お父さんがゴミ捨て場から部品を拾ってきて、それらを組み合わせて作ったのでしょうか・・・。
しかも、足りない部品は原理応用と創意工夫とで穴埋めして、自分仕様のオリジナルバイクに仕上がっている。
まずは、エンジンを起動させるときに使うイグニッションキーがない。
えっー、どれどれ・・・・と、日本から遊びに来ていた車好きの知人たち(といったら失礼ですね。車好きを通り越してプロとしてご活躍されている面々です)が覗き込んでいる。
おかしいな・・・これでどうやって動くのだろう、と。
やってきたバイクの持主の女の子。
得意そうにハンドルブレーキを一握りすると、ブルルッ、ブッ、ブッとエンジンがかかりだした。
では、止めるときはどうするの?
と、ハンドル根元に取り付いている4つのパイプ穴に指を突っ込む女の子。
すると、たちまちエンジン停止。
車好きの知人たちによると・・・・・
イグニッションキーがなく、バッテリーもないこのバイクはエンジンと”直結”状態になっていて、
指を突っ込むことによって、酸素が吸入されなくなり、エンジンの火が消えるのだそうだ。
さらにそのバイクのブレーキは、後輪ブレーキ右足のみ。
右ハンドルのブレーキレバーはアクセルとなっていました。
唖然とする私たち日本人を尻目に、家路に向かう女の子の友達が、バイクの後ろに乗り出した。
モイ(1)、ピー(2)、バイ(3)、ヴォン(4)、プラム(5)・・・・。全部で5人も!
もう、一番後ろの子なんか、体が半分以上ずり落ちていて、前の子にしがみつくことによってかろうじてバイクに引っかかっている状態。
飛び上るように一瞬宙に舞ったのち、走り出す。
キャハハッハ。笑い転げる少女たち。
転倒をものともせず、再挑戦!
今度はうまくバランスがとれ、エンジン全開のポンコツバイクと共に、隣村の少女5人は、笑い声のみ残して、夕闇のかなたに消えていきました。
ああ、なんて逞しいカンボジアの子供たちなのだろう・・・。
あんなバイクに改良してしまうカンボジアの大人たちもすごい!
・・・・・感動に浸る私たち日本人でした。
しかし、これにはさらに後日談があり、当時のことを再度思い出して感動していたところ、JST代表のチア・ノルがひとこと。
「カンボジアではそんなこと珍しくもなんともない。皆、中古バイクを安く買って、壊れたらその部分をどんどん修理・改良していって、全く乗れなくなるまで使いつぶすのが普通。しかもそれでもなお使える部品があれば他のバイクに再利用する。村では誰でもそうやってバイクに乗っているし、そんな改良、誰でもできる。
そんなことに感動する日本人は、カンボジア人から見ると本当に不思議なんだよなあ・・・・。」
(よ)
コメント
えっへん、ただいまご紹介に預かりました私は、日本レース村ではMCのプロと呼ばれている者です。おっほん。ホント、この5人の「おてんば娘」達にはびっくりでしたね。こんなボロボロでスロットルはないわ&ブレーキはないわ&直結だわ・・・「で、どうやってエンジン止めるの?」って聞いたら、いきなりエアクリーナーの吸い込み口の穴に指ズぼっと入れてエンジン止めちゃうもんだから、もう、大笑い。私のPCの壁紙はこの「おてんば娘」たちです。
おまかせさんのPCの壁紙はこの「おてんば娘たち」とのこと、毎日、仕事のたびに元気が出そうでいいですね!
ところで、おまかせさんは次回いつカンボジアへ?
Cafe Moi Moiスタッフも首を長~くしてお待ちしておりますよ。