今月初め、フィリピンを襲った大きな台風の余波が、カンボジアにも訪れました。
カンボジアは、台風、地震などの「天災」と呼ばれるものが少ない幸せな国です。(落雷は多いですが。そして、雨期のスコールはいつでも日本の小さな台風のようですが・・・)
今、カンボジアは雨期の終わり。10月末には乾期が始まり、11月初旬には乾期の到来を喜ぶ「水祭り」が行われます。例年、1年の中で最も雨の多い季節です。先日、遺跡修復ブログの中で紹介された国道6号線が水没しました、というトピックにもありましたが、カンボジアの人は日本人よりずっと水との暮らしに慣れています。多少の洪水や浸水なんて「まぁ、今年も来たか」くらいです。
ただ、今回の台風は格別でした。シェムリアップ市内でも、ー番低地にあたる、市内中心部のオールドマーケット周辺の全域が水浸しになり、シェムリアップ川から氾濫してきた水と、市内から集まってくる水がお互いに打ち寄せて、まるで海岸のようだったといいます。
JASA事務所や遺跡は、市内に比べてやや高い位置にあります。そのため、私たちの事務所には全く被害がありませんでしたが、市内の水が引くのに、早いところでも3日、長いところは5日ほどかかったようです。
一般の家屋はもちろん、水が流れ込んで冷蔵庫やクーラーが壊れてしまったりレストランや、水に囲まれてお客さんが入れなくなってしまったオールドマーケットなど、被害は甚大でした。
さて、遺跡のさらに北側にあるわれらがアンコールクラウ村。遺跡のすぐ北側にあるため、水の被害はそんなに大きくなかったのでは?という予想に反し、なんとJST代表のチア・ノルが以前に村の人たちと一緒に作ったノル道路が崩壊したというニュースが。
ノル道路は数か所で、小川や水路をまたいでいます。その周辺で、水の勢いのために道がながれてしまったようです。
JASA作業員の棟梁も「こんなことはいままでなかったよ~」とあきれるほど。
ノル道路は村の中心を通り、遺跡と村を繋ぐ、まさに生命線です。はたしてどんな状態になっているのか・・・。
詳しい情報が分かり次第、またお知らせします!
<つづく>
(ま)
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