東参道の新しいエリアでの修復作業を開始しました

バイヨン 彫像修復事業
12月に入り、カンボジアでは一年で最も涼しい時期に入り、当プロジェクトの修復工事も、現場を新たなエリアに写し、作業を開始しました。
場所は東参道の北側の欄干の中央エリア。このエリアでは、参道上に巨木が成長してしまい、その根が基段の内側に入り込み、大きく床面が変形してしまっています。その影響もあってか、ここでも多くの欄干部材が床面上に崩落して割れてしまっています。
事前調査の結果、このエリアではシンハ彫像1体、ナーガ彫像1体を含む全部で41部材があり、その多くがひび、剥離、破損、破断、などの状況にあり、修理が必要であることがわかりました。また、この参道の北側現在はどの大部分が土砂に埋まってしまっている貯水池がありますが、この池端に散乱していた部材のなかから3つの欄干に関わる部材が発見されました。これらは現在所の特定を行っている最中です。
また、これまでの修復をおこなってきた他エリア同様、ここでもシンハ彫像、ナーガ彫像、欄干を設置する基段が大きく変形し、隙間を生じており、再設置にあたり危険な状況であるため、基段の改善作業を行う必要があることが確認されました。

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現在は、各部材を修理する前に、このエリア全体の修復の方向性、最終的な部材の設置方法などを決定するための仮置きをしている状態です。
各部材の番付、修復前の図面と写真による記録を終え、これにより、おおよその部材設置箇所や、各部材の修理方法、新材による補てんが必要となる箇所などが決定しました。2015年1月より本格的な各部材の修理が開始されます。
(麻)

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