バイヨン中学校 ”学泊”体験記④

JST 村ツアー

前回に引き続き、今回も立教大学観光学部谷ゼミの学生さんたちが書かれた体験記をお送りします。今回は、バイヨン中学校での生徒との交流模様を見ることができます。立教大学の学生さんとバイヨン中学校の生徒たちとの楽しそうな光景が文章や写真から伝わってきます。

 

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中学校

 2012年、中学校がなかったアンコール・トム北西域にバイヨン中学校が建てられることになった。

 カンボジアは子供の教育環境の問題を抱えている。カンボジアの教師は給料が低く、教材や教室が不足しており、教師のモチベーションが低いらしい。また現在バイヨン中学校では生徒475人に対し教師が13人ほどしかいないそうだ。理由として交通費が支給されないため農村地域の教員のなり手がいないなどが挙げられる。

 教師にとって最も負担になる交通費を削減するために、バイヨン中学校では、教師用宿泊スペースを設けており、それを活用する計画を立てているようだ。今後バイヨン中学校の教育運営がスムーズに行われるためには、教育内容の充実、先生へのサポート、また保護者の教育への理解が重要になってくる。

 また中学校だけでなく、小学校でも退学者が続出しているという。例えば1年生の段階で200人いても、進級し6年生になると半分以上減ってしまうそうだ。なぜなら子どもたちが家庭の重要な労働力になってしまい、また親も教育の重要性を十分に理解していないことが進学率の低下につながっている。

 中学校に到着した時から、学生たちは恥ずかしがることなく私たちに笑顔で挨拶をしてくれた。どの子もフレンドリーで明るく元気な印象で、私たちの荷物運びを率先して手伝ってくれたり、場所を教えてくれたりして、想像以上に居心地の良い空間だった。

ちなみに意外にも日本の企業との関わりも伺えた。

 写真は日本企業の援助で作成された、環境を考える教科書。

ラジオ体操

 カンボジアの学校の朝は早い。朝の7時頃から正午ごろまで授業が行われる。授業が始まる前は生徒がグラウンドに集まって音楽なしで、日本と同じラジオ体操をしていた。その後に、朝ごはんを食べてから授業が始まる。


日本語学習者

 校庭で、日本語を勉強している学生たちが日本語で将来の夢を発表してくれた。先生、ナースになりたい人が多い。留学希望者もいた。小学生もいた。目がうるっとしてしまうほど感動してしまった。教育の目的を彼らから学ばされたようだった。



原稿を見せてもらった。

音楽部の演奏

 日本の歌「上を向いて歩こう」を合唱、「ドレミの歌」やカンボジアの伝統歌「アラピア」を鍵盤ハーモニカで演奏してくれた。最後に、「アラピア」を歌いながらみんなで踊った。

手の動きもつけながら皆でアラピアを歌い踊った。生徒たちが身振り手振りで教えてくれた。

生徒との交流

 だるまさんが転んだや鬼ごっこ、かくれんぼ、など、日本でも親しまれている遊びをしたり、反対に現地の子たちがよくする遊びを教えてもらったりした。(名前は不明だが、親鳥とヘビゲームと手つなぎハンカチ落とし風ゲーム?)

 彼らの丈夫な足と比べて日本人の足裏は弱いことを忘れ、楽しいあまり、足の裏がどういう状態なのかを気にせずサッカーを続けたところ、気づくと足裏の皮がめくれて悲惨なことに

グラウンドでサッカーを楽しむ男子チーム。

 

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日本語授業や音楽の授業など、カンボジアの普通の学校では勉強することができない科目もここバイヨン中学校では勉強することができ、このような機会に訪れた人へ披露できるのは、生徒たちにとっても達成感や喜びを感じられる良い経験となったのではないでしょうか。サッカーやダンスなど、一緒に体を動かすことで言葉を使わなくても通じ合うものがあるのか、とても楽しそうな様子がうかがえますね。こんな風にカンボジアの中学生と濃い関わりを持つことができるのも、学泊ならではのことですね!

 

次回は、特別授業として行われた「天体観測」についてご紹介します!バイヨン中学校の夜空の写真なども見られます!お楽しみに♪

 

 

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