電気と私たちの暮らし~カンボジア便り5月~

JSTインターン生のカンボジアライフ
スオスダイ!
みなさん、こんにちは
カンボジアの人がどんな暮らしをしているのか
インターン生である私が感じたカンボジアをお届けしたいと思います。
今回は、私がカンボジアに来て初めて体験した停電についてです。
雨季が近づくこの頃、停電によく見舞われます。
停電とはいっても一瞬電気が消えすぐに戻ることが多いのですが、
たまに長時間停電になることもあります。
つい先日
激しい雨風が吹き荒れているな~と思っていたら
急に電気が消えました。

いつもはすぐに戻るのでのんきに仕事をしていましたが、
今日はいつまで経っても戻らない!
停電になればもちろん
ファンもエアコンも動きませんし、ネットも繋がりません。
こうなってしまっては仕事も中断です。
カンボジア人のスタッフに停電の時はどうしているか聞いたところ、
戻るまでのんびり待つしかないしおしゃべりかな?と言っていました。
でも私は携帯もパソコンも使えないことに不便だな~と思ってしまいます。
日頃いかに身の回りが電子機器で溢れ頼っているのかに気づかされました。
そんな時だからこそ、おしゃべりというアナログはいいものですね。
カンボジアの人のおおらかさからは学ぶことがいっぱいあります。
夜には無事電気も復旧しました。
灯りのともった部屋を見てホッと一安心。
電気がつくのはとてもありがたいことで、灯りは偉大だなと改めて感じました。
実はこの停電、去年と比べて今年に入って頻繁に起こっています。
今年多い理由は、これまでにない強風が吹くことで
電柱がなぎ倒されたためだと言われています。
この強風で、簡単に作られていることの多い農村部の民家も
根こそぎ倒れてしまっているようです。
またカンボジアの電柱は、予算がないためか
細い鉄筋しか入っていないために車がぶつかったり強風が吹くたびに倒れてしまいます。
後から聞いた話によると
先日の停電で、電柱が20本も倒れたとのこと!
では、なぜこれまでにない強風が吹くようになったのでしょうか?
カンボジアの人の間では、森林伐採によって森が少なくなったからではないか、と言われています。
急激に発展したこの10年の間に、
カンボジアの森のほとんどが荒地になったり、ゴムやキャッサバのプランテーションになり
なくなってしまいました。
伐採した木は、そのほとんどが中国やタイ、ベトナムといった
新興国へ売られていきました。
海外にカンボジアの多くの木材が売られることで、
国内の木材の価格も一気に高騰し、
現在は建設のための材木も手に入りづらいのが現状です。
多くの途上国が経済的に発展していく中で、
その発展ゆえに新たな災害や被害が生まれているのかもしれませんね。

よりよい暮らしをしたい。
より豊かな生活を送りたい。
こう思うことは人間誰しもあります。
しかし私たちは、その「よりよい暮らし」を求めて
これまで大切にしてきた自然や伝統、文化を
ないがしろにしてしまっているのかもしれません。
いかに自然と共生していくかが、
これからのこの国の課題なのかもしれません。
停電という日常的な出来事のなかに
カンボジアの問題を垣間見た日になりました。
籔内

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