旅の最終日 ウサギ島で遊ぶ
お寺。海。カニ。遺跡。
盛りだくさんだった旅も今日が最終日。
ケップから首都プノンペンに戻ります。
でも、そのまえに!
最後の午前中を楽しむべく、ケップ海岸から見える、一番大きな島、「トンサイアイランド」に泳ぎに行きました。
トンサイとはクメール語でウサギの意味。何でウサギなんだ・・・?
ケップの船着場から、小ぶりな漁船くらいの大きさの船で島を目指します。
私たちの他にも西洋人旅行客が数組。
バカンスの香り漂う水着のお姉さんもいれば、バッグパックを背負った刺青のお兄さんも。
それぞれの午前中を乗せて、船はウサギ島へ向かいます。
海の風を受けて進むこと、20分。
視界いっぱいに大小の島が広がる。トンサイ島以外はお隣・ベトナムの領土だから上陸できないんだよ、となぜか自慢げな船頭さんの解説。ほんとかな?
周囲の島々の中でもひときわ大きい、ウサギ島。
近づくにつれて、その島の全貌が見えてきました。
背後に迫る小高い丘。
その手前に広がる白い砂浜とヤシの木並木。
ちっちゃいけれど、まさに南国の、しかも無人島を思わせる風貌。おおおお。
上陸は木製の一本橋から。
白い砂浜に降り立つと、午前9時というのに南国の日差しがじりっと照りつける。
砂浜効果と相まって、その強さが増したような。
カンボジア随一のリゾート・シハヌークビルよりも海水の色が黒く、美しくないと言われるケップの海。
でも、対岸よりもこの島の方が水が澄んでいるらしい。
わたしたちには、これで十分。
まずは弓なりに続く砂浜を端から端まで散歩。
上陸時の無人島的イメージとは違って、ヤシの並木の向こう側には食堂とバンガローが立ち並ぶ。
2年前にこの場所を訪れた知り合いの方に、
「なんにもなくていいところだよ~」と言われていたために、噂とは違う姿にちょっとびっくり。
この変遷が、ここで生きる人にとって、ここを訪れる人にとって、そしてこの島自身にとって
どういう変化をもたらすのかな、と少しだけ思いを馳せる。
カンボジア全土の遺跡でも、地域でも同じことが言えるんだろうな、と思いつつ、
それでも目の前の海と砂浜の誘惑には勝てません。
およそ2時間。午前中いっぱい、砂の中に潜んで足もとから攻めてくる緑のウニを捕獲したり、
ヤシの木のふもとのベンチで昼寝をしたり、ココナッツを飲んだり・・・。
とても久しぶりに、時計も見ない、パソコンもつけない時間。
波の音と、ヤシの木が触れ合う音の間で、もぞもぞと動く数匹のウニを眺める。
意味がないようで、とても実りある時間。
帰りの船はカンボジア人の若者3名と私たちだけ。行きの高揚感とはうってかわって、どっしりとおだやかな気分。
さて、非日常もこれで終わり!
ホームグラウンドのシェムリアップに、戻りますか。
この日の正午。
両手いっぱいのドリアンをさげ、再びプノンペン行きのバスへと乗り込んだのでした。
*この充実した旅のあと、ひとつだけ悲しい出来事が。
私がシェムリアップに帰ってみると、愛犬のラティが行方不明になっていました。
預けていた友人の家からふらりと遊びに出かけ、そのまま戻らなくなったそうです。
一生面倒見るからね、とラティに約束したにも関わらず、たった3か月間しか一緒にいられず、
本当に申し訳ないことをしたなぁ、と、カンボジア生活で初めて、後悔をした瞬間でした。
(ま)
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