旅の2日目 その2 ~いよいよ、カンポットへ!~
お寺から戻り、正午過ぎ。いよいよカンポットへ向かいます
故郷へ帰る田舎の人々と、田舎へ遊びに行くプノンペン人とでごったがえすソリヤマーケット前のバス停から私たちが乗り込んだカンポット行きのバスは、一人$6(600円)。
過去のカンボジア旅の中でピカ一のオンボロバス。
座席がすでにリクライニングしています。
カンポットは最近、欧米系の観光客の間で人気が出てきた隠れリゾート。
古くから有名なシハヌークビルよりも静かで安価。
この日のバスも満席で、ただでさえ満身創痍のバスに巨大なバックパックが通路を埋め尽くします。
黒煙を上げて走り出すエンジン音の重さに、思わず「がんばれ!」と祈りにも似た応援を。
40数名の運命共同体を乗せ、オンボロバスは国道5号線をゆっくりと走ります。
首都プノンペンから南へ南へと下り、ベトナム国境のちょっと手前がカンポット。
ガイドブックにある「約3時間半」の道のりを、我らがオンボロバスは6時間半かけて力走。
カンボジアは平地の国。
そしてメコン川を中心とする大平野をぐるっと囲むように山岳地域があり、
そこがタイ・ベトナム・ラオスとの国境になっています。
カンポットが近づくにつれて、真っ平らだった風景のところどころに丘の影が見えてきます。
風景の変化とともに、家の形、田圃の様子も少しずつ変わってきたような・・・と思っていたら、
夕暮れの最後の薄明かりが残る頃に、目的地・ケップ海岸に到着。
巨大な青色のカニ像のお出迎えを受け、1年ぶりくらいに見た、海。
小さな砂浜の後ろには、シェムリアップで久しく見ることのなかった山々。
海と山に挟まれたほんの小さな空間に、海の家のような地元の食堂が建ち並ぶ。
丘の斜面にある、安いけれど、雰囲気のい~いバンガローに宿をとり、浜辺の食堂へ。
人の良さそうなおばちゃんの店を選んで、カニの青コショウ炒めを注文。
すると、おばさんが突然真っ黒い海の中を沖に向かってザブザブ進んでいきます。
その先には水に浮かぶ竹のかご。
暗闇の中、小さな竹の窓を開けると、中には活きたカニ!
手前がカニの青コショウ炒め、右奥はイカの青コショウ炒め、左奥が海老の塩焼き。
ああ、海産物!!
シェムリアップでは味わえない、塩っ辛い生き物たちよ!
コショウもカンポット名物のひとつ。古来輸出品として重宝され、過去には東南アジアで
最も有名なコショウの産地だったとか。
熟して乾燥して黒くなってしまう前の、枝についた緑色のコショウは、形でいうなら巨大な海ブドウ。
このコショウも食べられます。プチっとはじけると何とも言えない鮮烈な香りが。
ああ、この晩ごはんだけでカンポットを目指した甲斐があったかも。
目の前に広がる海と、舌に残るカニの味わいに浸りつつ、カンポット最初の夜が過ぎていきました。
(ま)
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