最新の発掘調査から地域を眺めよう!~バイヨン中学校特別授業

バイヨン中学校2015-2016年
3月29日(火)
バイヨン中学校で、カンボジアの考古学者イム・ソクリティによる特別授業が行われました。
テーマは「アンコール地域-歴史、文化、文化財ー」。
先史時代からアンコール時代に至るまでのこの地域の歴史を、実際に彼が行った発掘調査をもとに解説してくださいました。
まず、なぜ当時の王は都としてアンコールの地を選び、約600年間も遷都せずに続いたのでしょうか・・・?
その理由は、インドのヒマラヤと聖なるガンジス河をはじめとする4つの川に類似した地形を有していたから、という説明にはじまり・・・・、
バイヨン中学校にも近い西バライの池底からの発掘では、紀元前2000年前後に埋葬された人骨が見つかったことをはじめ、様々な場所での発掘調査の紹介をしていただきました。
自分たちが住む地域に、4000年も前に住んでいた人がいたことを初めて知り、生徒たちはかなり驚いている様子。
アンコール・トム内での発掘調査では、碁盤の目状に区切られた敷地に整然と並ぶ家々の様子と、当時の王宮と家来の居住形態がわかりました。今は密林に覆われている場所です。
さらに、アンコール期に世界各国から人々が訪れていたことがわかる碑文、墨書などの紹介、そして、メール山を中心とした当時の宇宙観と遺跡の配置の関係など、
ソクリティ氏のこれまでの調査を踏まえ、多岐にわたる知識を披露していただきました。
こちらの碑文では、ところどころ現在のクメール文字に共通する文字があり、生徒たちも当時の時代に少し親しみを感じたようです。真ん中あたりに「モイ モイ(数字の11)」の字もありますよ!(笑)
実際に現場に立ち会った専門家のみが語ることができる、臨場感いっぱいの講義は、大人が聞いても興味深い、貴重な内容でした。
ソクリティ先生、ありがとうございました!
(陽)

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