インターン経過報告

こんにちは、インターンの國陶です。

日本では真冬の寒い天気が続いているようですが、こちらカンボジアは乾燥した涼しい毎日です。

さて、私がカンボジアに来てからもう半年経とうとしていますが、今日はこの場をお借りして今までやってきた研究・調査を少し紹介させていただこうかと思います。
私は現在スウェーデンのルンド大学というところの修士課程で「開発学Development Studies」というものを勉強しています。開発学というのは、「開発Developmentとはなにか?」という抽象的な議論から、発展途上国における政府間援助の在り方・方法、そして具体的なプロジェクトのデザインや運営手法まで、様々なレベルの問題を扱っています。また、その中を分野別で見てみると、自然環境や保健衛生、脆弱な国家における安全保障など多様な領域にまたがっています。
私の専攻はこれらのうち「地域開発Rural Development」と呼ばれるもので、おもに発展途上国の非都市部もしくは農村部における開発に焦点を当てるものです。
地域開発とは、その名前の示すように、特定の社会分野に関するものではなく、むしろ地理的な区別からくる分類です。これは、農村部には農村部特有の問題が存在し、そしてそれらを国というくくりではなくもう少し細かい観点で見ていこうとするものです。ですので、「地域開発」の「自然環境」や、「地域開発」の「保健衛生」というトピックもあります。
今回、私がカンボジアで取り組んでいるのは、カンボジア農村部における観光産業の影響についてです。
世界銀行によると、約80%の人々が農村に居住しており、また71%の人々が農業を生業としています。その一方で、外務省によると、GDP(国内総生産)の約38%が観光・サービス業で、農業は約33%となっています。
これは、7割近い人口が3割の富を分け合っているとみて良いのでしょうか?
実態はもう少し複雑です。
まず第一にカンボジアにおける農業というのは、小規模のものが多く、多くの農家は自分たちで消費する分のみを生産することが多いのです。したがって、こういった農業生産はGDPに反映されにくくなってきます。
第二に、農業のみを生計の手段としているところは少ない、ということがあります。たとえば、農業のかたわらトゥクトゥクの運転手をしたり、また、家族の一員が都市部や外国に出稼ぎに行き送金を受けている場合もあります。
今回の私は、こういった複雑な農村の実態を明らかにすると同時に、どのように観光業が地方住民の生計に寄与している(または、していない)のか、を調査しています。(その2に続く)

コメント

タイトルとURLをコピーしました